TRAMP CYCLEの手によるインジェクションモデルのFXDBダイナ・ストリートボブ・カスタム。気負いなく付き合えるライトカスタムながらも、走りに比重をおいたモディファイが加えられている。
まずは足周り。ワインディングでの走りを想定し、49Фのフロントフォークは1.5インチのローダウンが施され、スプリングとオイル交換によりセッティングが煮詰められている。インナーはイオンプレーディングによりブラックコーティングされ、エクステリアとの調和に配慮。リアショックはプログレッシブ製11インチ。ブレーキは前後ともにストックである。イグニッションシステムにはサンダーマックスをチョイス。トルク感と、少し濡れたような音質を求めて若干濃い目に調律されている。マフラーにはグロッシーなGLOWEMIT仕上げのオリジナルフルチタンデュアルエキゾーストを装着。エアクリーナーにはジッパーズ製ハイフロータイプ、カバーはブラックペイントされたオーバルタイプの07モデル用を配している。
ナローエイプバーとキング&クイーンシート、ミッドコントロールに前後のローダウンが加わり、走りを意識したコントローラブルなポジションを形成。吸排気/点火系の見直しでトルクが増したツインカム96の乗り味は、1584ccという大排気量ならではの豪快なテイストである。低回転域からグイグイと押し出されるようなこの乗り味こそが、ツインカム本来のパフォーマンスなのだろう。
ベースカラーのビビッドブラックにH-Dロゴが配されたフューエルタンク。リアフェンダーはストックのチョップドフェンダーから、FXDフェンダーに交換され、あえてダイナモデルらしいスタンダードなフォルムを再現。コンセプト通りのライトカスタムであるが、要点が絞り込まれた的確なモディファイにより、完成度の高い車両に仕上がっている。いかに現行のダイナモデルに手を加えるか。そのひとつの解答がここにある。