ラックモーターサイクル代表、杉原 雅之。2000年にオープンし、今年23年目を迎える同店は、国内外のカスタムショーで数々のアワード獲得実績を誇るシーンを牽引する最重要ショップとして広く認知されている。カスタムビルド一筋、今年でキャリア30年を迎えるという彼は、我が国を代表するベテランビルダーと言える。そして2023年8月20日(日)に神戸で開催された「第18回ニューオーダーチョッパーショー2023」ではビルダーズチョイスにより選び出されるベストオブチョッパーを見事に獲得。2017年、2018年の連続受賞以来、今回で3度目の獲得となる。
「ベースは1966年式FLHで、エンジンは80ciにストロークアップしています。フレームのベースはハイドラフレームでシングルダウンチューブにモディファイし、ステムを1.5インチストレッチ。フロントフォークは2インチストレッチしたアイアン純正の33φをチョイスし、大神戸のナロートリプルでタイトに仕上げています」
ラックの黄金比とも言えるスーパータイトなチョッパーである。ポジションはハイライザーバーにミッドハイステップ、シートはリジッドマウントのコブラシートという、かなりコンパクトなものだ。ニューオーダーには、ショップのある京都から神戸までこのチョッパーに乗ってやってきた。「バンに積めなかったので……」と、本人はサラリと言うが、自走で会場入りしてベストオブチョッパーを獲得し、そして自走で帰っていく。なんとも「粋」ではないか。そんな彼が愛用するウエスコブーツは、3〜4ヶ月前に手に入れたというジョブマスターである。
「ウエスコ大阪で足を採寸してもらいオーダーしたジョブマスターですが、納品まで1年以上待ちましたね。もう一足、ブラックラフアウトのロメオも注文したのですが、こちらもジョブマスターとほぼ同じ時期での完成となりました。仕上がりを楽しみにしながら、じっくり、気長に待っていたという感じでしたね。仕事柄、ハンドメイドの商品は完成までに時間がかかるということは実感していますから(笑)。
私はスタンダードなものが好きなのですが、カスタムの仕様についてはかなり悩みました。お店でサンプルを見ながら、スタッフのアドバイスも参考に定番スタイルのジョブマスターに仕上げてもらいました。次はエンジニアブーツのボスを狙っています。同じく定番スタイルで、少しだけカスタムでアクセントを入れたようなスタンダードなボスがいいですね」
取材協力:
luckmc