VIRGIN HARLEY | ハーレーダビッドソン ミュージアム 特集記事&最新情報

取材協力/ハーレーダビッドソン ジャパン  撮影/磯部孝夫  取材・文/VIRGIN HARLEY.com 編集部 田中宏亮
掲載日/2013年9月24日
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今なお歴史をつむいでいる
ハーレー歴史博物館へ

1903年の創業から数えて110年を迎えたハーレーダビッドソン モーターカンパニー。産声をあげたウィスコンシン州ミルウォーキーに今も居を構える彼らは、アメリカの魂とまで揶揄される存在であり、またミルウォーキーの街の誇りでもある。

 

2008年、ミルウォーキーの中心部に誕生したのがこのハーレーダビッドソン ミュージアムである。ここにはその歴史の第一歩であるハーレーダビッドソン初号機 シリアルナンバー1をはじめ、400台以上と言われる歴代モデルがところ狭しと並べられ、往年のレースシーンやカスタムカルチャーなど当時の臨場感を伝える演出もなされており、“ハーレーダビッドソンの神殿”と呼ぶにふさわしいスケールのミュージアムとなっている。

 

110年を迎えた2014年、『Project RUSHMORE』の名のもとに生まれた新型エンジン「TWIN-COOLED TWINCAM103」を搭載したFLHTK TC ウルトラリミテッドが新たに展示、さらなる進化とともに歴史の1ページを刻んだ。110周年アニバーサリーセレブレーションのメインステージとなったそのミュージアムの中身を大々的にご紹介しよう。

110年におよぶ歴史のすべてを刻んでいる聖地ミルウォーキーのハーレーダビッドソン ミュージアムへ!

「HARLEY-DAVIDSON」の文字が大きく刻まれた巨大なミュージアム。このボックスのなかに、すべてが詰め込められている。

創業者4名の巨大なパネル写真が出迎えてくれるエントランス。

『Laila J』と名づけられた2008 ソフテイルデラックスのフルカスタムモデルがエントランスに展示されていた。

110周年アニバーサリーセレブレーションの真っ最中ということもあり、ミュージアムは大盛況。

やはり見逃せない、110年の歴史の第一歩となった『シリアルナンバー1』。

文字どおり歴史遺産であるシリアルナンバー1、そのブース周辺には人、人、人。

シリアルナンバー1から3年、熟成を重ねて生み出された1907 Model 3。

第二次大戦中、軍用バイクとして生産された1945 WLA。

10大戦当時、米軍からの要請にてBMWを模して開発された水平対向エンジンを持つ1942 Model XS。奥に見えるは、終戦後に登場した1947 EL ナックルヘッド。

11当時製造されていたパーツ&アクセサリーも展示されており、当時の雰囲気が伝わってくるよう。

12配達業などの商業用バイクとして製造されたModel G サービカー。現代のトライクの始祖である。

13ミュージアム2階のメインストリートには、110年の歴史が生んだ名車がずらりと並ぶ。

14手前は1906 Model 2、奥に座するは1909 Model 5。Vツインエンジンはまだ姿を見せていない時代の産物だ。

15ハーレーダビッドソンの代名詞であるVツインエンジンがついに登場、年代は1915年、モデル名はModel 11F。

161936年、サイドバルブを経て、ナックルヘッドエンジンの時代が到来。その一号機である1936 ELがこれだ。

17そして1948年、その歴史はパンヘッドへと受け継がれる。“ヨンパチ”の名称で親しまれる1948 FL。

182階の一角には、歴代エンジンすべてが壁に並ぶ壮大なコーナーが。

19パンやショベル、エヴォ、ツインカムはもちろん、水平対向エンジンやXR1000のエンジンなど、あらゆるエンジンが一望できる。

20戦前に流行した板張りのコースで順位を競う『ボードトラックレース』の模様を再現したコーナー。このボードには、当時の映像が映し出される臨場感ある仕組みに。

21そのボードトラックレースを席巻した1923 JD Board Track Racer。あまりのパワフルさから“壊し屋”という異名を持つ一台。

22デビューしたばかりのナックルヘッド EL をレーサー仕様にし、フロリダ州デイトナ・ビーチを疾走した1936 EL FACTORY STEAMLINER。レースシーンにてライバルメーカー『インディアン』とナンバーワンの座を争った。

23当時の様子を物語るツナギやウェア、その他グッズが数多く展示される。

24こちらはロードレースに参戦していた1930年代のレーサーのウェア類。

25タイヤにチェーンが巻かれたマシンを壁に掛け、ヒルクライムのシーンを再現したコーナーも。

26何十年も前のモデルがまるで新車のような輝きを放つ。そこにあるのは、文字どおり“色あせない歴史”ということか。

27歴代モデルのタンクがずらり勢ぞろい。当時の流行のデザインが描かれたフューエルタンク、眺めているだけでも飽きない。

28バイクの顔とも言えるタンクデザイン、当然その前には人だかりが。自分のバイクに取り入れたいデザインが……多すぎて絞りきれない。

29シングルエンジンのST165(中央の赤いモデル)や、現スポーツスターファミリーの祖先とも言える1954 KH(黄色いモデル)など、1940~1950年代の車両やポップが展示されるコーナーも。

30世に出ることがなかったOHC V4エンジンのモデル。市販されていれば、ハーレーの歴史に小さくない変化をもたらしたはず。

31なにやら不思議なデザインのウルトラがケース展示、そのまわりに人だかりが。何かと覗き見ると……。

32なんと、100周年記念モデルのカウル部分すべてにビッシリと人々のサインが。まさしく“世界に一台だけ”のウルトラだ。

33そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により、同年4月、宮城県仙台市からコンテナごとカナダ西部の島に漂着したハーレーダビッドソンがここに展示されていた。

34太平洋をまたいで4000マイル(約6400キロ)もの距離を漂流したそのルートも描かれている。

35展示車両の横には、日本のH.O.Gメンバーから届けられた千羽鶴が。

36我々ハーレー乗りだけでなく、世界中を驚かせたこの一台。間違いなく日本とアメリカの絆につながったと言えよう。

37こちらは歴代H.O.Gメンバーのスナップがパネル展示されているコーナー。その数は、数十メートル四方とも言える大きな壁面を埋め尽くすほど。

38アメリカのムービーシーンも彩ったハーレーダビッドソン。『ターミネーター』などハーレーに縁のある映画のポスターやグッズがこちらに展示。

39そして、これを抜きにこのコーナーを語ることはできまい。1969年に公開されたモーターサイクル ムービーの金字塔『EASY RIDER』に登場する2台が! 手前はもちろん、キャプテン・アメリカ号。

40その隣りにはビリーの真っ赤なフレイムス パンヘッドが。この2台を間近で見る感動と言ったら、筆舌に尽くしがたい。

41世のハーレー乗りを魅了した名作、あらゆる場面が名シーンとして語り継がれている。

42近年実写版として復活した『キャプテン アメリカ』。第二次世界大戦を背景に描かれた作品では、主人公がこのWLAを駆る場面が何度も描かれた。

43ナックルヘッドをふたつ連ねた想像外のカスタムモデル 1941 CUSTOM “KING KONG”。

441941年式と1953年式のナックルヘッドエンジンを組み合わせた一台、やはりハーレーの故郷アメリカだからこそ生み出されたド肝を抜くカスタムバイクだ。

451990年代を代表する天才ダートトラックレーサー、スコット・パーカーのヘルメットが。ハーレーの歴史に詳しい方にとってはお馴染みのデザイン。

46100年以上の歴史が生み出したのは車両だけではない、純正パーツ&アクセサリーも数え切れないほど誕生した。

47先のホモロゲーションモデルXR1000のエンジンを搭載したBuell 1986 RR1000。ハーレーの歴史のなかで輝くレーサーレプリカモデルである。

48伝説のダートトラックレーサー XR750。現行モデルであるスポーツスター XL883RにこのXR750のデザインが踏襲されているのは、輝かしい歴史を後世に語り継ぐためとも言えるのだ。

49今なお根強いファンを持つ1972 XLCH1000。現行モデルをこのモデルに近づけようとカスタムする人も少なくない。

50ドラッグレーサー、ビューエル、ヒルクライム……。かつてハーレーダビッドソンもスピードのなかで技術を磨いた時代があった。

51その頂点で宙を舞うのは、バイクショーなどに用いられたオリジナルデザインのXR750。

52そして、今年2014年、『Project RUSHMORE』より生み出された新型エンジン搭載のFLHTK TC ウルトラリミテッドが早速展示。“TC”はTWIN-COOLEDの略称である。

53水冷機能を備えた新型エンジンに加え、性能がアップしたブレーキングシステム、スタイリッシュになった車体フォルムなど、ウルトラが大幅にパワーアップした。

54何より気になるのは、TWIN-COOLED(ツインクールド)と呼ばれるこのエンジン。放熱性を向上させることでより快適なライディングを提供できる仕様となっている。

55水冷機能を備えるうえで欠かせないラジエターは、ロアフェアリング内に搭載。その存在を目立たせることなく、大幅な機能アップに結びつけた。

56前年モデルと見比べても大きく変わったトップケースだが、このようにヘルメット2個を収納できる容量はキープ。

57試作を重ねたスイッチボックスの模型すべてが展示。

581938年のものと思われる手書きのエンジン設計図。コンピューターのなかった時代はこうして構想を練り、日夜開発に勤しんでいたのだろう。

59こちらはHARLEY-DAVIDSONのロゴデザイン案か。こうした試行錯誤を経て、今のハーレーダビッドソンが我々とともにあるのだということを教えてくれる。

60世界中のハーレー乗りが訪れるハーレーダビッドソン ミュージアム。永きに渡る歴史をつむぐこのミュージアムに来ると、自身の愛車との向き合い方にさらなる深みを生み出してくれることだろう。

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