VIRGIN HARLEY | 走行時のフレームの揺れを軽減する画期的な補強アイテム TOURER BRACEを検証する！ 特集記事＆最新情報

大陸横断をもこなす長距離クルージングを前提にしたツーリングモデルのフレームはしなやかさを持たせた設計であるが、ストップ＆ゴーの繰り返しが続く日本での使用では、加減速の際にその柔らかさからフレームのヨレを感じることがある。例えばコーナーリングでリアが遅れて向きを変えてくる感じであったり、高速道路を降りようと出口でアクセルを途端に閉じ、速度の高いままコーナリング姿勢に入るときなどにフレームの剛性感が物足りないのだ。

そこで今回、ツーリングモデルのフレームの剛性感をアップさせると評判の TOURER BRACE を、FLTRU103 ロードグライド ウルトラで試してみた。装着は技術力の高さに定評のあるハーレーダビッドソンシティ川越店にお願いした。作業はボルトオンで簡単、ユーザーが自分自身で取り付けることも難しくないだろう。

車体がカッチリした感覚は押し引きしたときから感じ、低速から車体がクイックに動く。スリ抜け時のふらつきも解消され、極低速走行も苦にならない。さらにコーナーではカッチリとした車体がライダーの狙うラインを確実に捉え、思惑通りに向きを変える。高速道路の追い越し車線で、ドーンっ！と段差を乗り上げたときの安心感も増しているので、高速巡航もペースアップが可能だ。急制動ではどうだろうと思い、安全な場所でABSを効かせてフルブレーキングしてみたが、車体はバランスを崩すことなく落ち着いている。大きな安心と余裕をもたらしてくれた。

2001年式 FXDL ダイナ・ローライダーを愛車にするハーレーダビッドソンシティ川越店の営業担当、小瀧奈緒美さんにTOURER BRACEを装着した FLTRU103 を押し引きしてもらった。というのも、愛用しているユーザーらによると、これを装着すると走行時の安定性はもちろんのこと、取り回しも楽になるとのことで、それが本当なのか実証してみたいと思ったからだ。

結果は楽になったような、ならなかったような……。つまり、小柄な女性にとっては装着前もタイヘンだったし、装着後もやっぱりタイヘンというわけだ。この恩恵はじっくり長く愛車と過ごしているうちに体感できるのかもしれない。たとえばガレージから愛車を出し入れするとき、あるいは駐車場などで愛車の向きを細かく変えたいときなどに車体のブレがなくなり、取り回しが楽に感じる。カッチリした車体であるがゆえ、重量バランスを失いにくくなり立ちゴケもしにくくなるのだ。

アルミ素材からの削り出しで、手に取ったときの質感も素晴らしい。車体裏をのぞき込めば、人とは違ったパーツが存在感をアピールし、ディテールまでこだわる人、そして走りを追求する人には見逃せないパーツだと言えよう。