ユーザーの希望をかなえるケンテックのカスタムマシン
- 取材協力/ケンテック 撮影/井上 演 取材・文/佐賀山敏行 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
- 掲載日/2017年2月28日
Custom & Parts KENTECからのお勧めは、完成度の高い90年代のEVOエンジン搭載のハーレーだが、その他の年代のハーレーもお客様の要望や予算に合わせて、ショップからの提案を交えつつ、満足度の高い1台をじっくり製作するという。ここでは毛色の異なる2台のソフテイル・カスタムを紹介しよう。
国産アメリカンにハーレーなど、これまで数々のアメリカンカスタムを製作してきたのが、東京都板橋区に拠点を置く『ケンテック』だ。さまざまなマシンを作ってきたが、お客さんが製作を任せきってしまうことも珍しくないという。これは、これまで頻繁にデモマシンを発表していることや、ショップ自体の歴史の長さにより、多くのお客さんがショップのセンスや技術を信頼しているからこそ。ハーレーの良いところを次のように話してくれた。
「例えば、国産車の多くは生産終了後、何年かするとパーツ供給も終わってしまうが、ハーレーの場合は、遡ること1930年代のパーツも関連企業が生産しているので、一生の友として付き合うことが可能となりうる」とのこと。
また「90年代と聞くと、日本では20年以上も昔というイメージを抱くかもしれないけれど、ハーレーにおいてはパーツの安定供給、豊富さから整備をきちんとやれば最も楽しいカスタムハーレーが出来る」とその魅力を語ってくれた。
ここでは、実際にお客様からオファーを受けた最新ツインカムソフテイル、そしてデモ車として製作されたEVOオールドスクールの2台を紹介しよう。同店が作るカスタムマシンの美しさとクオリティの高さを確認してもらいたい。
ベースとなったのは2008年式FXSTCで、ソフテイルらしさを活かしつつ、ロー&ロングのスタイリングをさらに強調した1台だ。トリプルツリーとリアの2インチローダウンで、車体のシルエットを大きく変更。さらにPM製コンビネーションホイールと相まって、高品質なソフテイルカスタムのルックスとなっている。
ビレットの質感が美しいトリプルツリーを選択し、ヘッドライトボディをブラックアウトにしていることも見逃せない。今後は前後ブレーキ周りやオープンプライマリー化など、カスタムを進めてさらに高級感をアップしていく予定とのこと。
迫力のサイレンサーを持つエキゾーストマフラーは同店オリジナルの「ビッグフレアード2in1マフラー」を装着する。質感、サウンド、そして集合管によるパワーと、マフラーに求められる3つの要素をすべて満たした人気の逸品である。ほかにもビレットウインカーなど、細部にも抜かりはない。
1994年式FLSTFをベースに製作されたケンテックのデモマシン。車体のほぼすべてに手が入っているにもかかわらず、各パーツが主張し過ぎることなく美しいまとまりを見せている。それでいてオーソドックスに終わらず、キングスポークのホイールやデジタルメーターなど、同店の主張がしっかりと入ったディテールは必見!
ロッカーカバーの一部にブラス加工を施し、シンプルなエンジン周りのワンポイントとしている。他にもマフラーエンドやヘッドライトのトリム、テールランプなど、各所にブラス加工を採用することで、マシンのアイデンティティとしている。
同店のカスタムでは必須とも言える2in1マフラーは、当然このマシンにも装着される。マシンイメージに合わせてブラックアウトしつつ、マフラーエンドにブラスチップを採用。質感を向上させている。また、CVキャブレターにはチューニングが施され、純正ながらも乗り味を高めている。