出来上がるまでどうなるかわからなかったカスタムバイクが
完成度の高い状態で安心して購入できる
新車で手に入り車検も適合するカスタムバイク、それがロードホッパーだ。ワンオフ製作では不可能なレベルの、試作段階で“実際に壊す”までのテストを行い、その結果を反映させ2次、3次……と試作を繰り返すというプロセスを経て、人を安全に目的地へ運ぶ道具として世に放たれる。二輪車メーカーがつくるオートバイでは当たり前のことだが、ワンオフのカスタムバイクとなると完成後も少しずつ調整を加えていったり、エンジンや足まわりのセッティングを乗りながら詰めていくという、段階を少しずつ踏む必要があることもまた確かだ。その存在価値と、ビルダーとの信頼関係を築きながら1台のオートバイをつくりあげる歓びは極めて大きなものがあるものの、デザインにせよ機能にせよ多かれ少なかれそこにはリスクがあり、購入当初から新車同様の安心を求めるには限界がある。
ロードホッパーは名門ゼロエンジニアリングがデザインを担い、パーツメーカーとして実績が豊富なプロトが開発・製作し、最先端のカスタムルックに安心と信頼を加えた“夢のカスタムバイク”といっても過言ではない。「他人とは違う自分だけの1台が欲しいけれど、旅先で壊れたらどうしよう……」、「完成後のメンテナンスは!?」……そういった誰しもが持つ不安を解消したロードホッパーは、登場以来海外でも絶大な人気を誇り、いまや4台のラインナップが定着。今回はそのすべてを紹介し、最新の Type 9i、そしてEVOエンジンを搭載する Type 5i に試乗してみた。
掲載日:2012年11月07日
ロードホッパーの中でも1200スポーツスターエンジンを搭載したライトウェイトモデル。1940年代のオールドチョッパーフォルムが魅力的である。
掲載日:2011年11月10日
エンジンは1340ccのエボリューションV2。国内外で再評価されているこのパワーユニットを、Type 5i はグースネックのリジッドフレームに搭載。
掲載日:2011年10月27日
1449ccの排気量をツインカム88(5速)を、独自のサスペンション機構を持ったリジッドフレームルックの車体に搭載。さて、その乗り味はいかに?
掲載日/2011年10月27日
2008年11月、ミラノ EICMA ショーに出展すると、そのヴィンテージなスタイルと革新的なサスペンションシステムの組み合わせに多くの人が驚愕の声をあげた。その後、量産車としてのリリースを目指し、本格的な開発がスタート。2年以上の期間を惜しみなく費やし、実走行によるテストを繰り返した結果、悪路の多いヨーロッパの道も安全に走れる1台に仕上がった。「旅」をコンセプトにしたまったく新しいロードホッパー Type 9i は、世界限定99台での販売となっている。
掲載日/2011年11月10日
エンジンは1340ccの EVO。国内外で再評価されているこのパワーユニットを、Type 5i はグースネックのリジッドフレームに搭載。サスペンションを持たない美しいシルエットは、リジッドフレームならではの特権。H-Dらしさを色濃く残した一世代前のエンジンとのマッチングをあえて選び、オリジナリティ溢れる1台を組み上げた。生産技術等の向上により安心してロングランが可能な信頼性も兼ね備えた「名機」と呼ぶに相応しいエンジン。これをリジッドフレームで味わえる。
1200ccのエボスポーツの弾けるパワーフィールを、余すことなくアスファルトに叩きつける。そんなイメージで調律された自社開発のインジェクションシステムを搭載。スポーティな4カムエンジンを楽しむための軽量な車体は一切の贅肉を排除し、俊敏な走りが味わえる。ヴィンテージルックの最たるものと言えるリジッドフレームとスプリンガーフォークをマッチング。Type 1i も市街地をキビキビ走るが、両車を比べた場合、ディメンションの違いから Type 2i はよりクイックなハンドリングが特徴となる。
その基本構成は Type 2i と変わらないものの、こちらは 39mm径のテレスコピックフォークを採用。フロントタイヤの接地感をライダーにしっかりと伝えてくれ、若干のブレーキングを残しつつコーナーに飛び込むようなハードな走りも存分に楽しむことができる。リジッドをスポーツバイクのように手なずけるという大胆な行為が許されるマシンだ。マフラーは2 in 1のストレートタイプ。スポーツスターを象徴するピーナッツタンクと、トラディショナルなスプリング付きのソロサドルを装備。