VIRGIN HARLEY | メンテナンス・初めの一歩 プロテックスで愛車を磨く 特集記事&最新情報

取材協力/プロテックス  記事提供/雑誌『VIRGIN HARLEY』編集部  構成/VIRGIN HARLEY.com編集部
この記事は、雑誌『VIRGIN HARLEY』Vol.29 P94~P97を再構成・転載したものです。
掲載日/2014年11月26日

プロテックスで愛車を磨く

メンテナンスの第一歩は洗車と磨き。愛車のコンディションを知る上で重要だが、
自分なりのメンテナンスでは不十分だ。そんな悩みを解決するショップを紹介する。

自分で洗車できない
環境の人は特に必見

プロテックスの行うガラスコーティングという作業は、ボディの表面に薄いガラス皮膜を形成して、塗装面や金属面、さらには樹脂パーツさえも保護するという優れものである。以前は、クルマに施すことが多かったコーティングだが、鈴木さんはご自分がバイク乗りということもあって、かなり以前からバイクやヘルメットなどにもコーティングを実施してきた実績の長い人なのだ。

 

普段このコーナーでは、「ユーザーができる範囲のメンテナンス」ということをテーマに様々な方法を展開しているが、その基本的な考え方は、ユーザー自身が工具を使うということではなく、不具合を起こさぬように最大のチェックを怠らないよう、アドバイスという視点で構成してきた。

 

愛車のコンディションを維持する上で、ボディを綺麗に保つのは誰もが望むこと。普段の洗車は自分で出来る人でも、愛車に新車以上の輝きを持たせ、その効果が持続するなら、今回紹介するボディコーティングには興味を持つはずである。

Maintenance Advisor
鈴木義彦さん

ボディコーティングの専門店「プロテックス」代表の鈴木さんは、この道18年。ハーレー乗りでもある。

プロのコーティング技術で重要なのは、その磨きのテクニック。数種類のポリッシャーを使い分け、コーティング剤も下地と本剤、仕上げ剤を分けて使う。そして、施工後にはメンテナンス用の洗車セットをプレゼントするという。

洗車の段階からインドアでの作業

洗車は外で行なうのが一般的だが、プロはその時点からまったく考え方が違う。
ホコリが付着してしまう環境での洗車は、まったく意味のないものだというのだ。

すべて室内での作業
洗車環境が重要なのだ

オフロード走行でもしないかぎり、外での洗車は必要ない。持ち込まれたハーレーは、すぐに作業ピットの中に入れられて、洗車の作業が始められた。

 

重要なのは、ボディ全体に付着する油分の除去。特にエンジン周辺は、念入りに油分を除去する必要がある。

 

洗浄剤は、油分を溶かす専用洗剤と、その後は中性洗剤を使用。汚れを浮かして、スポンジやマイクロファイバーのウエスで拭き取る。特にエンジンの冷却フィンの間などは念入りに作業する。

 

大きなオイル漏れなどのある車両はNGで、整備が行き届いていることがもちろん前提だ。

作業ピットは、一定の温度と湿度に保たれている。蛍光灯も特殊な専用品を選び、塗装面にある細かいキズも肉眼でチェックしやすい環境を整えてあるのだ。

  • 大量の流水や泡立つ洗剤などで、ゴシゴシ洗うような洗車はまったくしない。逆に、一見ピカピカのハーレーでも、油分を除去する洗浄は必ず実施する。使うのは弱アルカリ性と中性の洗剤だ。
  • 洗浄剤は油分を強力に分解する専用剤と中性洗剤を使い分ける。汚れが浮きたつ頃に柔らかいスポンジを使用して、拭き取るようなイメージだ。
  • エンジンの冷却フィンなど、細かい部分の洗浄には樹脂製のヘラにマイクロファイバーウエスを被せて作業を行なう。丁寧な洗浄作業がコーティングの乗りを左右するという。

プロならではの繊細さが特徴だ

コーティングの良し悪しは、下地の処理で決まる。徹底的なクリーニングと脱脂を行うことが重要だ。
そのための専用機材が、大きな効果を生む。そして仕上がりは、7年間保証される。

塗装部分だけではなく
金属部分にも有効

従来のボディコーティングは、ポリマーなど、いわゆるガラス系と言われる樹脂コーティングだったため、塗装されたボディには有効だが、メッキされた金属や、ホイールなどにはあまり効果がなかった。しかし新開発されたプロテックス・プロ7は、本当の意味でのガラスコーティングが可能で、その表面保護効果は従来品の5倍から7倍だという。そして最大の特徴は、金属部分を効果的にコーティングできるようになったことだ。

 

油分を取り除いた後は、洗浄作業へと続く。いわゆる流水洗車なのだが、ここで使用する水も水道水ではない。水道水にはカルキなどの不純物が含まれていて、コーティング前の洗浄には適さないのだ。そこで、フィルターを通過させた不純物の少ない水を使用して細かく洗浄していく。その流水も、ボディを痛めないように、細かく霧化された柔らかい状態をコンプレッサーとノズルで作り出したもの。ボディ周辺を水浸しにすることなく、効率のよい洗浄作業が進められた。

 

その後は細かいコンパウンドを使用した磨き行程に移る。ポリッシャーを使い分けながらボディに付いた些細なキズを平滑な状態にして、さらにもう一度流水洗浄。コンパウンドの成分を完全に除去するのだ。そしてブロアで乾燥させ、いよいよコーティング剤を吹き付ける。

 

下地から本剤、仕上げ剤と間隔を置きながら専用のコンプレッサーを使ってコーティングを実施して終了。仕上がりは、新車以上の深い光沢を持った高級なものになっていた。

 

実施するのは早いほうが良い。新車購入後は特におすすめなのである。

SHOP INFORMATION

株式会社プロテックス

〒252-0812 神奈川県藤沢市西俣野312
TEL/0466-84-0755
営業時間/9:00~19:00
定休日/日曜
URL/http://www.protecs.jp

※来店の際は事前にご連絡ください。

油分を洗浄剤で除去した後は、流水洗浄する。大量の水を使うことはなく、バケツに溜めた不純物の少ない水をコンプレッサーを使用して吸い出し、ボディを洗うのだ。

細かい部分の脱脂作業が目的なので、ノズルの先も細い。丁寧に各部分を流水洗浄できる装置なのである。この洗浄作業が、コーティングの乗りを左右するのだ。

洗浄作業が終了したら、ブロアーで強制乾燥させる。絶対にウエス等で水分を拭き取るようなことはしない。この洗浄&乾燥は、磨き行程の後にも行われる。

磨き行程は塗装されたボディに実施されるが、その前にマスキングを行う。必要のない部分にコンパウンド成分が付着しないようにする処理である。

コンパウンドは、ワックス成分の入っていないものを使用する。キズの深さによって数種類使い分け、最終的には極細粒子のコンパウンドで仕上げていく。

相手の面積や形状によって様々なポリッシャーを使い分ける。使用するコンパウンドはごく少量で、周囲に飛び散るなどということは皆無だった。

これは回転の中心軸がオフセットされ、ランダムに回転するポリッシャー。同軸回転で付く細き磨き跡を消してしまう優れたポリッシャー。仕上げに使用する。

金属やメッキ部分には、特殊な専用バーナーで下地処理を行う。バーナーには下地用の溶剤が含まれていて、金属部分に付着し、コーティングの乗りを良くするのである。

コーティング剤の吹付けも専用のコンプレッサーを使用する。普通のコンプレッサーで生じる圧縮時の水分を除去し、コーティング剤だけを優しく吹き付けることができるのだ。

10コーティング作業は、できるだけ新車に近い状態から実施するのが理想的である。ちなみに筆者の愛車1985年モデルの現状では、場所によっては手遅れということなのだ。

11今まであまり効果がなかったホイールなどのコーティングも、下地のコンディションが良ければ実施可能だ。古い車両は、塗装してからコーティングということになるだろう。

12経年変化で塗装が剥がれてしまったブレーキキャリパー。古いハーレーはエンジン部分も同様に剥がれているが、新車時にコーティングすれば、寿命はかなり長くなるはずである。