メンテナンスの第一歩は洗車と磨き。愛車のコンディションを知る上で重要だが、
自分なりのメンテナンスでは不十分だ。そんな悩みを解決するショップを紹介する。
プロテックスの行うガラスコーティングという作業は、ボディの表面に薄いガラス皮膜を形成して、塗装面や金属面、さらには樹脂パーツさえも保護するという優れものである。以前は、クルマに施すことが多かったコーティングだが、鈴木さんはご自分がバイク乗りということもあって、かなり以前からバイクやヘルメットなどにもコーティングを実施してきた実績の長い人なのだ。
普段このコーナーでは、「ユーザーができる範囲のメンテナンス」ということをテーマに様々な方法を展開しているが、その基本的な考え方は、ユーザー自身が工具を使うということではなく、不具合を起こさぬように最大のチェックを怠らないよう、アドバイスという視点で構成してきた。
愛車のコンディションを維持する上で、ボディを綺麗に保つのは誰もが望むこと。普段の洗車は自分で出来る人でも、愛車に新車以上の輝きを持たせ、その効果が持続するなら、今回紹介するボディコーティングには興味を持つはずである。
Maintenance Advisor
鈴木義彦さん
ボディコーティングの専門店「プロテックス」代表の鈴木さんは、この道18年。ハーレー乗りでもある。
洗車は外で行なうのが一般的だが、プロはその時点からまったく考え方が違う。
ホコリが付着してしまう環境での洗車は、まったく意味のないものだというのだ。
オフロード走行でもしないかぎり、外での洗車は必要ない。持ち込まれたハーレーは、すぐに作業ピットの中に入れられて、洗車の作業が始められた。
重要なのは、ボディ全体に付着する油分の除去。特にエンジン周辺は、念入りに油分を除去する必要がある。
洗浄剤は、油分を溶かす専用洗剤と、その後は中性洗剤を使用。汚れを浮かして、スポンジやマイクロファイバーのウエスで拭き取る。特にエンジンの冷却フィンの間などは念入りに作業する。
大きなオイル漏れなどのある車両はNGで、整備が行き届いていることがもちろん前提だ。
コーティングの良し悪しは、下地の処理で決まる。徹底的なクリーニングと脱脂を行うことが重要だ。
そのための専用機材が、大きな効果を生む。そして仕上がりは、7年間保証される。
従来のボディコーティングは、ポリマーなど、いわゆるガラス系と言われる樹脂コーティングだったため、塗装されたボディには有効だが、メッキされた金属や、ホイールなどにはあまり効果がなかった。しかし新開発されたプロテックス・プロ7は、本当の意味でのガラスコーティングが可能で、その表面保護効果は従来品の5倍から7倍だという。そして最大の特徴は、金属部分を効果的にコーティングできるようになったことだ。
油分を取り除いた後は、洗浄作業へと続く。いわゆる流水洗車なのだが、ここで使用する水も水道水ではない。水道水にはカルキなどの不純物が含まれていて、コーティング前の洗浄には適さないのだ。そこで、フィルターを通過させた不純物の少ない水を使用して細かく洗浄していく。その流水も、ボディを痛めないように、細かく霧化された柔らかい状態をコンプレッサーとノズルで作り出したもの。ボディ周辺を水浸しにすることなく、効率のよい洗浄作業が進められた。
その後は細かいコンパウンドを使用した磨き行程に移る。ポリッシャーを使い分けながらボディに付いた些細なキズを平滑な状態にして、さらにもう一度流水洗浄。コンパウンドの成分を完全に除去するのだ。そしてブロアで乾燥させ、いよいよコーティング剤を吹き付ける。
下地から本剤、仕上げ剤と間隔を置きながら専用のコンプレッサーを使ってコーティングを実施して終了。仕上がりは、新車以上の深い光沢を持った高級なものになっていた。
実施するのは早いほうが良い。新車購入後は特におすすめなのである。
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