ベルファストは、プロトが展開してるハーレー用カスタムパーツのブランドである。そのラインナップに新に加わったのが、XL1200CXロードスター、XL1200Xフォーティーエイト用のアイテムだ。
「これらの基本となっているコンセプトは“ハンドル周りをスポーティーに”です」と、ベルファストを始めとしたハーレー用パーツを担当するプロトの花城景吾さん。
XL1200CXロードスターにおけるベルファストパーツ装着車のハンドル周り全景。ファットテーパーバーがゴールドカラーのため強い印象を与えているが、それ以外は純正ライクな収まりの良さを見せている。ミラーは画像のようにハンドル下にも、逆に上にもセットが可能だ。
用意されていた車両(XL1200CXロードスター)を前にして、まず目を引くのはハンドルバーそのものだろう。最近のトレンドでもある中央のクランプと、左右両端のグリップ部分では径が異なったテーパータイプで、単一径のパイプハンドルよりも高い剛性が得られるなど特徴を持っている。
その取り付けに必要となるライザーは高さ違いも設定されており、好みのポジションを得やすい。だがライザーを変更すると、行き場が無くなってしまうのがメーターだ。それにはステーセットが用意されており、アチラを着ければコチラが着かず、といったことにならないようにされているのが特筆すべき点であり、それを特に感じられるのが、ミラーホルダーだといえるだろう。
ベルファストのミラーホルダーを取り外し、フロントブレーキマスターシリンダーをブレンボRCSに交換しただけの状態。スイッチボックスの凹部や穴が露わになってしまうし、ミラーも行き場を失ってしまう。
「スポーティーさをより高めるのに有効なのが、フロントブレーキのマスターシリンダーの変更です。純正は握れば効くだけタイプで、決して操作性に適した性能とは言えません。それを、この車両に装着されているブレンボなどに変更すれば、コントロール性が圧倒的に高められます。でも交換すると、ミラーが取り付けられなくなるという問題があり、それを解消するためのパーツが、このミラーホルダーです。純正のマスターシリンダーを撤去すると露出してしまうスイッチボックスの凹みや穴もカバーします。さらにブレンボのRCSマスター装着時に左右のデザインを揃えられるように、レバーも付属したクラッチホルダーも用意しています」
プロトでベルファストを始めとしたハーレー用パーツを担当するオリジナル商品課課長の花城景吾さん。「今回のハンドル周りのパーツは、どれかひとつが契機になったのではなく、ほぼ同時に開発をスタートしています」とのこと。
写真のXL1200CXロードスターでは、左右のスイッチボックスやグリップ以外のハンドル周りは、ごっそりとベルファストへと置き換えられている(XL1200Xフォーティーエイトで同様の仕様にする場合にはトップブリッジも)。
バランスが巧みに考慮されているためルックスに大きく影響しないのも、今回のパーツ群の特長のひとつだ。それでいて得られるフィーリングは格段に向上し、絶対的な速さを求める方向性とは違った、Vツインエンジンが奏でる鼓動などのテイストに、操る楽しさを上乗せした“スポーツライディング”へのベルファストからの提唱なのである。
クランプ部は38.1mm、グリップ部は25.4mmの径とされたテーパーハンドル。一般的なテーパーハンドルではクランプ部の径は28.6mmだから、かなりの太さだ。それが剛性の高さにもつながっており、ルックスの変化も楽しめる。ポジションは高さ違いのアップとローの2タイプ。カラーはゴールド、シルバー、ブラックが用意されている。ハンドルスイッチの配線を通す穴加工済み。取り付けには専用ライザーが必要となる。
アルミ削り出しでブラックのパウダーコート仕上げとされたファットテーパーバー専用ライザー。高さは1.5インチ(価格1万8,000円・税抜)、2.5インチ(価格2万円・税抜)、4.5インチ(価格2万2,000円・税抜)の3種類が設定されている。取り付けには別途ライザーボルトも必要。車種によってはハンドルがタンクに干渉する場合があるため、ハンドルの切れ角を少なくするハンドルストッパーも別途設定されている。XL1200CXロードスターの場合、1.5インチ、2.5インチを装着する場合は、ハンドルストッパーが必要。※ハンドルロックは使用不可
XL1200Xフォーティーエイトはライザーがトップブリッジと一体型のため、ライザーだけを交換することはできない。それを解消するためのトップブリッジ。写真の2016年式以降の49mmフォーク用と、2015年式以前の39mmフォーク用を設定。素材はアルミでブラックのパウダーコート仕上げ。ハンドル周りのカスタムの幅が格段に広がる。
ライザーを交換した際にメーターの取り付けに必要なステー。メーターの角度は純正よりも若干起き気味となり、視認性も向上する。XL1200CXロードスターの純正トップブリッジとXL1200Xのベルファスト製トップブリッジに適合する。素材はアルミでブラックのパウダーコート仕上げ。
トップブリッジ、ライザーを交換した際にメーターを車体左サイドのタンク前に設置できるキットも設定(XL1200X フォーティーエイト用)。インジケーターはハンドルセンターへ残し、メーターのみタンク左前に移設するセパレートタイプ。車体への取り付けはフレームマウントで、もちろん視認性も確保されている。
フロントブレーキのマスターシリンダーを社外品に変更した場合にも、純正と同様の場所にミラーを装着が可能。スイッチボックスの穴などもカバーしてくれる。アルミの削り出しにブラックのアルマイト仕上げ。高年式の車両(CANBUS搭載車)にブレンボのRCSマスターシリンダーを使用する場合には、付属のブレーキスイッチが使用できないため、別途ベルファスト製ブレーキスイッチが必要。
フロントブレーキのマスターシリンダーをブレンボRCSに交換してしまうと、純正のクラッチレバーでは左右のデザインが合わない。それを解消するためのパーツで、ミラーも純正同等の位置にセットが可能。隙間を埋めるスイッチカバーも付属される。表面処理にも拘り、ホルダー部分はサンドブラスト加工を施してからのアルマイト仕上げとなっている。
ハンドルやライザーの変更でブレーキホースの長さが足りなくなった場合には、プロトからリリースされているスウェッジラインで対応が可能。ホースやフィッティングのカラーをブラックにすれば、交換後も純正ライクなルックスをキープできる。ABS装備車にも対応。ベルファストのホームページでは、ファットテーパーバー装着時のブレーキホースデータも公開されている。