掲載日/2014年4月23日
独自のコンセプトを貫く
パーツ&カスタムショップ
モーターガレージグッズは、現在数多くのストリート系カスタムパーツを扱うショップであり、バイク本体のモディファイも手掛けるスペシャリティショップという一面も持っている。パーツは個人でももちろん購入可能だが、全国のショップに卸す数も多く、カスタム専門店からの信頼も厚いショップと言えるだろう。
グッズのカスタム車両の多くは、ヤマハSRやカワサキのWシリーズ、そしてエストレヤや250TRなどをベースとしたストリート系が主だったが、2013年にシャシーダイナモであるダイノマシンの導入と共に、ハーレーダビッドソンのインジェクションチューニングサービスを開始。それと同時にハーレーのカスタムも手掛けるようになった。
ショップのショールームは阪神高速「豊中南IC」/名神高速「豊中IC」近くにあり、幹線道路沿い。そして作業工場を少し離れた場所に確保して、オリジナルパーツやカスタムバイクの生産にあたっている。
グリーミングとは鈍く輝くこと
高級で渋いブランドを目指す
モーターガレージグッズの社長である丸本浩史さんがグッズを立ち上げたのは2001年で、最初は伊丹市でオープン、カスタム車両を製作する小さなスペシャリティショップとしてスタートを切った。しかしその後は、カスタムバイクの製造とは別に、カスタムパーツの自社企画、開発、製造、また海外パーツメーカーからの部品供給を受けながら進化してきた。まずはそのあたりからの経緯に触れてみた。
「僕は元々20歳までは美容師をやっていたんですよ。そもそも何でもいいから自分で独立してやりたいと考えていて、だんだん若いころの趣味であったカスタムバイクの方が美容師よりも向いているんではないかと考え出しました、高校生の時、当時の愛車ヤマハビラーゴを夢中で目茶苦茶にカスタムしてた時のあの感動が忘れられなくて(笑)。美容師をきっぱり辞めカスタムショップの門をたたきました。それから5年間カスタムショップに勤めさせていただき、2001年、25歳のとき晴れて独立することになりました。独立当初はSRやXSのような中型のカスタムバイク製作や、ちょっとしたオリジナルカスタムパーツの製造販売から、それこそ原付スクーターの修理まで何でもやっていました。しかしそのようなお店の体制では何年かすると需要の増加と共に供給側も増加し、価格競争になります。ですので創業当初より行っていましたカスタムパーツの企画・製造・販売にウェイトを置き換えようと思いました。その後、自社開発の国内生産はもとより海外パーツメーカーのジャパンディーラー権を取得し、今までに国内1400社の取引先を開拓しました。現在ではパーツ販売部門とバイクショップ部門を完全2分化し、共有するべき情報はしっかり共有し、各々が各部署の責任の下で営業している、それが現在のモーターガレージグッズです」
グッズのホームページには、数々のカスタムパーツの他に、今まで製作したカスタムバイクの多くが閲覧できるようになっている。それはバイクメーカー別に分けられていて、とても見やすいコンテンツであり、完成されたカスタムバイクを見ることで、グッズの手掛けるスタイルコンセプトを理解することができるのだ。
グリーミングワークスは、グッズが新たに興したハーレーダビッドソンに特化したカスタムパーツブランドだという。そのコンセプトは、商品のクオリティーを最大限に維持するために、できる限りの商品を日本国内で小ロットで製造するということ。自分たちの仕事に見合った量を生産することで製品に魂をこめられるはずだと考えられている。そして、高級で長く使い込むことができる耐久性と美しさ、さらに渋さという味わいを感じさせることだと丸本さんは話す。
「グリーミングという名前は半年ぐらい考えて命名しました。あまたあるハーレーパーツの中で、僕らの独自性を打ち出すためには良い名前だと思っています。パーツは基本的に機能パーツだけを発表していく予定で、その第一弾がスポーツスター用のマフラーということになりました。1年前にワンオフ製作して、大阪のショーに出品してみたところ、思いのほか反響が大きかったので、量産体勢となったものです。今後はスポーツスターだけではなく、ビッグツイン用も開発する予定です」
発表されたのは、美しいクロームメッキが施された2イン1タイプのフルエキーゾストマフラーと、ノーマルのエキパイを利用したスリップオンタイプのサイレンサーである。新たに導入されたダイノマシンをフル稼働させて、最適なデータを導き出したマフラーが登場した。
2イン1タイプは素材がステンレスで、パイプの随所に二重構造として焼けによる変色を最小限に抑える構造である。エキゾーストパイプの外径はΦ50.8mmだが、これはノーマルエキゾーストにヒートガードを装着した太さとほぼ同じ。しかし太いままのエキゾーストパイプでは低速域のトルクが稼げないことと、メッキの焼け防止という効果から、各部二重構造として内径を細くすることと、集合部の距離などの適正化でトルクの落ち込みを回避できたという。そして、限界までクランクケースに肉薄するパイプラインを描くことで深いバンク角も確保。さらにステップはミッドコントロールでもフォワードコントロールでも改造なしでボルトオン装着できる構造となっている。
もうひとつはノーマルエキゾーストに装着するスリップオンタイプのサイレンサー。こちらはオールステンレス製のポリッシュ仕上げのみの設定となっている。すべての商品の企画・デザインはすべてグッズが行う。マフラーについては、パイプの曲げ加工やサイレンサーエンド部分の絞り出しなどはグッズの提携工場である大阪の専門工場で行われる。最終的にすべての部品はグッズ自社工場に集められ、1本1本オリジナルの治具に乗せられ丁寧に溶接加工し仕上げられている。つまりパイプ素材の提供元以外はすべてオールジャパンメイドであり、それこそがグリーミングワークスのこだわりなのだ。高級で耐久性のある品質を維持して、息の長いブランドを作り上げる。丸本社長の構想は、今始まったばかりである。
手軽にボルトオン装着可能でありながらも、
様々なスタイルに対応するマフラー
グリーミングワークスのマフラーは、現代的なセンスの表れとして、音量も重低音でパルス感のあるものながら、耳触りのない押さえられた音色が特徴だ。サイレンサーのエンドバッフルは取り外せる構造なので、店頭に持ち込めば分解してグラスウールも新しく巻き直すことができる。2イン1マフラーは、エンドバッフルを2種類用意して、それぞれ販売。バイクカスタムの方向性で様々なイメージにマッチングするように考えられているのだ。製品精度は高く、ノーマル車両なら改造することなくボルトオン装着できることも大きなメリットである。
ストリート系カスタムを得意とする、
大阪のニューウェーブショップ
阪神高速と幹線道路に面した路面店舗にはショールームと整備やカスタム待ちの車両、そしてダイノマシンが置かれている。パーツは通販がメインのため、すべてのパーツをショールームで見ることはできないが、もちろん直接購入することもできる。国産車とハーレーのカスタムを考える上で、とても頼りになるグッズは、今も成長を続けているのである。
※2015年2月に店舗屋号がGLEAMING WORKSに変更になりました。詳しくはコチラをご覧ください。
住所/大阪府豊中市利倉1-2-20
電話/06-6865-4001 ファックス/06-6865-4001
営業/10:00~19:00 定休/火曜日