取材協力/モーターガレージグッズ 取材・文・写真/モリヤン 構成/VIRGIN HARLEY.com 編集部
※2015年2月に店舗屋号がGLEAMING WORKSに変更になりました。詳しくはコチラをご覧ください。
最初は、チューニング部門。責任者は丸本 晋平さんであり、モーターガレージグッズのチーフメカニックという立場で指揮をとる。2013年1月にシャシーダイナモであるダイノマシンを導入して以降、本格的なハーレーのコンピューターチューニングが実施できるようになり、これまでにチューニングされた車両は、すでに 200 台を超えているという。チューニングは、単なるパワーアップではなく、エンジンのパワーカーブやトルクカーブをノーマルよりも滑らかにするという効果が大きく、実施したバイクが乗りやすくかつパワフルに変貌する。それはダイノマシンを操るオペレーターのセンスが問われる重要な部門である。
「チューニングって、たとえば電卓の5のキーを押したら、4.5 とか 5.3 などという数字が出てしまうのを、正確に5を出す作業です。エンジンに供給するガソリンと空気のバランスと、点火時期を適正化することで回転は滑らかになり、その結果としてパワーもトルクもアップする。だからどんなエンジンでも実施すべきで、インジェクション車だけでなく、キャブレター車でも同じです。チューニングというと、とにかくパワーアップというイメージが先行していますが、調整することが重要なんですね。そして乗りやすくなったエンジンは、初心者や女性ライダーにも扱いやすくなります。街中での右左折やUターンなども操作しやすくなりますし、トップギアの守備範囲もぐっと広くなりますね」
丸本さんの勧めるチューニングは、ぜひ女性ライダーにも実施すべきということなのだ。さらなるパワーアップを求めるには、カム交換というメニューも用意されている。
2番目は、カスタム&メンテナンス部門。責任者はハーレー・サービスメカニックである三宅 亮平さんである。モーターガレージグッズは国産車もハーレーも扱う総合ショップだが、各2人の体制で現場を切り盛りしているという。カスタム車両の製作も多いが、基本は日常点検を重要視した作業。メンテナンスに関しては、ショップで販売した車両だけでなく、初めて訪れた人のバイクも見るし、オイルの持ち込み等も歓迎。細かい作業も引き受ける懐の深さがあるのだ。
「まずはメンテナンス。オイル交換のスパンだけきっちり守っていただければ、バイクは長持ちします。オイルの交換は血液検査みたいなものだと思っていただけるといいですね。カスタムはライトなことから始めるのが、長くバイクに付き合うことを考えると飽きがこなくて良いと思います。でもマフラーだけ交換というのはエンジンのバランスを壊すので NG ですね。僕らはたくさんのメニューを用意しているので、応えられる自信があります」
現在、お店が提案するカスタムはスポーツスターがメインだが、もちろんビッグツインでも OK である。メンテナンスの行き届いたカスタムこそモーターガレージグッズの提案するところなのだ。
3番目は、車両販売とカスタマーサービス部門。責任者はペインターという肩書きも持つ森下 綱貴さんである。森下さんは、ショップで最もユーザーとの接点が多い。車両の販売だけでなく、カスタムの相談などにも耳を傾け、直接アドバイスをするのも森下さんの役目である。多くのユーザーの声をショップの活動に反映させていくための大きな窓口。そんな部門と理解すればよさそうだ。
「現在は、完全にメンテナンスされた中古車の販売がメインですが、オリジナルカスタムの製作は増やしていきたいと考えています。これはユーザー主体のカスタムではなくて、こちらからスタイルを提案するショップカスタムですね。基本的にはジャンルレスですが、パフォーマンスを備えたストリートカスタムをどんどん提案していくつもりですよ。今はスポーツスターがメインですが、今後はダイナ系のカスタムも展開します。シンプルなクラブスタイルがクールでいいですね」
モーターガレージグッズオリジナルのブランド『グリーミングワークス』は、今後さまざまなカスタムパーツをラインナップしていくことだろう。
カスタムを得意とするショップは数多い。しかし人気のあるお店ほど、その生産効率は悪いということも事実である。それは、ショップを運営するスタッフのマンパワー不足という意味合いよりも、ただ一人の総合スペシャリストがすべての仕事を受け持ってしまっているからという結果ではないだろうか。小さなショップを一人でやりくりするならば、そのスタイルも良い。しかし、チームプレーで効率を上げるのは、生産性の向上と品質の均一化も図れるだろう。多くのスペシャリストが関わる現場には、新しい発想も芽生える。それはショップを訪れるユーザーにとっても、喜ばしいことなのだ。
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インジェクションチューニングの場合、まずセンサーを取り付けるための穴開け加工を要する場合がある。排出される燃焼ガスからデータを採る必要があるからだ。
穴にはエビナットという特殊なナットを装着し、センサーを取り付ける。これはチューニング作業の後は外されて、穴はボルトでしっかりと塞がれる。
ダイノマシンに車両をセットして、実際に走行させながらコンピューターのマッピングを変更、調整していく。ガソリンと空気の割合や点火時期を微調整するのだ。
セッティングが変更された車両は、実際に公道での走行テストも行う。そして、ユーザーに手渡された後、ユーザーからのリクエストでの微調整は無料で行うという。
右肩上がりなのがパワー曲線で、山なりのほうがトルク曲線である。どちらもチューニング後はアップしていて滑らかな曲線になっていることがわかる。
メンテナンス部門。重要なのは基本的な日常点検で、オイル漏れのチェックやオイル交換などの作業からカスタム車両の製作までこなす。
使用するオイルはモチュール。信頼あるブランドを使い続けることでエンジンは長持ちするし、走行フィーリングも良い。オイル交換は専門店で行うようにするべきだ。
ガソリンタンクを交換するカスタムも、事前の準備が重要である。ゴチャついた配線がそのままではスマートなカスタムとはならないので、その処理をするのだ。
モーターガレージグッズのオリジナル製品である、48 レプリカタンクの装着。塗装済みで販売されているので、自分のタンクは保管しておくことができる。
カスタムの要望によって、ワンオフ製作されるパーツやステーなども数多く存在する。現場合わせで製作しながら、仕上げていくのもカスタムなのである。
ベースモデルは 2010年の XL883L である。ホイールを変更し、モーターガレージグッズオリジナルのカウルとタンク。シートとマフラーも交換されたカフェレーサー。インジェクションもチューニング済みだ。
ベースモデルは 2010年の XL883N である。48 レプリカタンクの装着で、イメージはフォーティエイトに近いもの。ホイールはノーマルだが、カスタム感が強い。効果的なモディファイになっているのだ。
塗装済みの状態で販売されているモーターガレージグッズオリジナルの 48 レプリカタンクは 75,000円(税抜き 2014年11月現在)。
ショートリブフェンダーは 28,000円(税抜き 2014年11月現在)。タンクとともに『グリーミングワークス』ブランドとして新たにラインナップされている商品である。
ショップ建物の右側、サービスピットの隣にあるモーターガレージグッズのショールーム。落ち着いた雰囲気の店内だ。
ハーレー専門のブランド
『グリーミングワークス』も絶好調
2001年の創業から数多くのパーツを扱ってきたモーターガレージグッズだが、2013年より、ハーレー専門のブランド『グリーミングワークス』を立ち上げた。純国産のパーツ群はクオリティが高く、装着する喜びも大きいものである。店舗にはオリジナルのカスタムバイクも展示されているので、足を運んでみることをお勧めしたい。
※2015年2月に店舗屋号がGLEAMING WORKSに変更になりました。詳しくはコチラをご覧ください。
住所/大阪府豊中市利倉1-2-20
電話/06-6865-4001(車両) 06-6865-4000(パーツ)
営業/10:00~19:00 定休/火曜