サイドカーを購入後、数年来渋滞時のオーバーヒートに悩まされ続けてきた中村さんは、今年の熱対策として、このクールマスターを装着した。クロームメッキされたエンジンのルックスに合わせて、クロームカラーの製品をチョイス。振動を軽減するバイブレーションマスターも取り付けて、オーバーヒート対策に打って出たのだ。
「サイドカー乗りはパレードランなどのイベントにも呼ばれることが多くて、そんな時の走行もゆっくりなんですよ。渋滞時は無論のこと、それと似た環境でもやはり熱対策は必要ですよね。このクールマスターは、ルックスも性能も良いと思って、先月装着したばかりです」
最大の目的は、サイドカー側への熱こもり対策なのだそうで、ノーマルのままゆっくり走行を続けていると、エンジンのオーバーヒートも心配だが、サイドカー側パッセンジャーライダーもエンジンの熱にさらされてしまう。走行風が期待できないスピードだと熱はこもる一方で、パッセンジャーライダーは、たまらないという状況になってしまうのである。
超高速ファンをダブルで装着するクールマスターは、軽量で耐久性も高く、オプションのフレームマウントキットと振動吸収用バイブレーションマスターも装着すればさらに完璧だ。カラーは写真のクロームの他、グロッシーブラックとフラットブラックが用意される。
季節はまだ春というこの時期では、もちろんエンジンのオーバーヒートが起きやすい環境ではないが、クールマスターを作動した場合にどれほどの冷却効果があるのか、中村さんのサイドカーで実験をしてみた。
まず、ハーレーダビッドソン新宿に到着したばかりの中村さんの愛車をパーキングに誘導、そしてエンジンは止めずにアイドリングを続けた状態でシリンダーヘッド付近の温度を計測すると、ほぼ摂氏150度という高温である。そこでエンジン停止することなく、クールマスターを始動すると、約30秒後には100度付近に温度が落ちて安定した。つまり、走行風のない状況でも一気に50度温度を下げる能力があるのだ。
まだ3月の下旬で、当日の気温は摂氏10度ぐらいである。それでも走行後のアイドリング時では150度ほどにエンジンヘッドの温度は上昇するのだ。摂氏30度を超える真夏なら、さらに温度は上昇し、オーバーヒートしても不思議ではない。
エンジンを止めずにアイドリングをさせたまま、クールマスターのスイッチを入れると、その瞬間から見る見る温度が下がって行き、約30秒後には100度付近に落ち着いた。その後は、ずっと同じ温度をキープし続けているのだ。
「冷却効果は高いと思っていましたが、この数字には驚きましたね。それにエンジン付近に空気の流動があるから、パッセンジャー側へのこもりもあまり感じないようです。これはこの夏、期待以上の性能を発揮してくれそうですね」
中村さんは、今回の実験で、かなりの確信を得たようだ。
サイドカーやトライクは無論だが、通常モデルでも、オーバーヒートによるトラブルは数多く報告されているこの日本。毎年、真夏の路肩で立ち往生という光景を目にするが、ライダーもマシンもクールに乗り切るには、このクールマスターが最強のアイテムに間違いない。