昨今、急激に普及してきた電熱ウェア。ヒーテックではインナージャケットをはじめ、インナーパンツ、グローブ、トゥウォーマーの4種類をラインナップするが、今回は実際のユーザーにお集まりいただき、その使い勝手や購入の動機などを伺ってみた。
編集部(以下、編):本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。今回はヒーテックシリーズを普段からお使いになっている方々にお集まりいただき、使い勝手など実際のユーザーの生の声を聞こうと思って、この座談会を企画しました。
一同:はい、宜しくお願いします!
編:さて、最近は電熱ウェアを使っているという声をよく耳にしますが、皆さんもまた愛用者なのですね。
横山恒夫さん(以下、恒夫さん):うん、冬はもう電熱ウェアがないと走る気にならないよ。
平野明子さん(以下、明子さん):言えてる。もう、必需品って感じ!
横山祐恵さん(以下、祐恵さん):もちろん、最初は使っていなかったけど、電熱ウェアを着て暖かそうにしている人を見て存在を知って、実際に使っている人の意見を聞いて自分も欲しいと思ったんです。
平野哲夫さん(以下、哲夫さん):そうそう。ほとんどが仲間内からの口コミで広がって、私も、僕も、って買う人が増えていった感じかな。
編:なるほど。みなさんは HOGやショップのツーリングに参加しているとのことですが、電熱ウェアの着用率って、どのくらいですか?
明子さん:感覚としては9割は着ていると思う。
編:えっ、そんなに……!? ちなみに何人くらいのグループで?
哲夫さん:100人くらいはいるはずだよ。
編:つまり、100人いたら90人は使っていると……?
明子さん:うん、着ていると思う。
哲夫さん:もちろん、フル装備ってわけじゃないよ。インナーウェアだけ、あるいはグローブだけっていう人も多いはずだけど、いずれかを9割くらいの人が使っていますね。
編:スゴイなぁ。いつの間にか、電熱ウェアがものすごく普及しているのですね。
恒夫さん:もちろん、僕たちのようなツーリング派はユーザーが多いでしょうから着用率はとても高いと思うけど、そのへんを流すだけの“街乗り派”に聞けば、また着用率は違ってくるんだろうけど。僕らは寒い冬でもお構いなく、長い距離をどんどん走るからね。
明子さん:吐く息が白くなる真冬の高速道路を延々と何時間も走ったり、氷点下の峠を越えたり、とにかく路面さえ凍ってなければ山でも海でも、ガンガン走りにいっちゃうもんね!(笑)
編:みなさん、ヒーテックですか?
哲夫さん:うん、ヒーテックがほとんどだろうね。あとはH-D純正かなぁ。いずれにせよ、電熱ウェアを使っていないと、みんなについて行けないよ。
明子さん:私の場合、最初まず手が悴んでレバー操作ができなくなるから、電熱グローブから購入したの。それで、手がこんなに暖かいんだったら身体ももっと暖かくしたいって思って、インナーウェアを追加していったって感じ。
祐恵さん:そうそう、私も同じ。グローブを2枚重ねにしたり、厚手のものを使ったけど結局ダメで、行き着いたのが電熱グローブだったってわけ。
明子さん:操作性を考えても、電熱グローブがベストだよね。厚手のグローブだとウインカーを誤作動させたり、レバーを握るのが余計に疲れたり……。
祐恵さん:モコモコのグローブは危ないし、どうせ手が冷たくなっちゃう。レディースはサイズも少ないし……。
明子さん:サイズって女性には重要よね。その点、ヒーテックはレディースサイズがちゃんと用意されているからよかった。
編:グローブのサイズは5種類。ジャケットとパンツのサイズはウーマン、S、M、L、XL、XXL、XXXLと、じつに7種類!
祐恵さん:欲を言えばウーマン用にも、もっと小さい手の人のための「XXS」があるといいかもなぁ。
3段階調整可能なスイッチが、扱いやすい位置にあって操作性が高いのが嬉しいという女性陣(右=横山 祐恵さん、左=平野 明子さん)。ヒーテックの電熱ウェアは暖かいのはもちろん、インナージャケットが薄くてアウターの選択肢が増え、ファッションを極寒の中でも楽しめるのがグッドとのこと。
ヒーテックの電熱ウェアがなければ、冬季に走る気にはならないという横山恒夫さん(中央)。インナージャケットとパンツのおかげで、冬のツーリング時も着ぶくれしないで済むようになった。付属品のワイヤレスリモコンや、シガープラグなどのオプションパーツも充実しているのがありがたいという。
真冬でも、インナージャケットを着ていれば、アウターとロングTシャツだけでツーリングに出れるというヒーテックシリーズ。着心地も柔らかくて、ユーザーの皆さんに好評。発熱素材の繊維が細く、ゴワゴワしないのがその秘訣だ。ファッションに気を遣う平野 哲夫さん(左)は、インナーパンツを試着。
冬でもファッショナブルにハーレーに乗れるようになったと話してくれた皆さん。バイクから離れ、電熱ウェアの電源がオフになる休憩中の方が、走っている時よりも寒いというのは、“電熱ウェアあるある”とのこと。
恒夫さん:みんなグローブから使い出したんだね。僕はグリップヒーターの装備があったから、手は大丈夫だった。最初からインナージャケットとパンツ、上下を揃えて買ったんだ。
明子さん:あのぉ~、なんて言うか……、平野さんご夫妻のようなリッチな方々だと、最初から上下をセットで買えちゃうけど、私たちだとまず手軽なグローブっていう人が多いと思う。
哲夫さん:それはあるよね。最初は一番つらい手をまず暖めて、インナージャケットはその次って感じだよね。僕たち以外の若い子たちもその傾向が強いはず。
祐恵さん:でも結局、手だけ暖めても済まなくなって、インナージャケット、インナーパンツにステップアップしていくんだよね。
恒夫さん:そっか~。年寄りは寒いから、上下着てないとダメなんだよ。(笑)
明子さん:でもね。ヒーテックだと、まずグローブからとか、ジャケットだけとか、そういう買い方をする人にも優しいんだよね。
編:というのは?
哲夫さん:ユーザーが買い足していくことも想定しているから、いずれにも共通性があって配線を繋ぐのも困らない。だから最初にグローブだけを買った人、インナージャケットを買った人も、無駄にすることなくフル装備に少しずつ近づけていけるの。
祐恵さん:インナージャケットを買ってからは、冬でもファッショナブルにハーレーに乗れるようになったのも大きな恩恵。
哲夫さん:そう、薄手のアウターでスマートな着こなしができるんだ。
明子さん:それまでは分厚いジャケットを何枚も着込んで、まるでダルマさん。着ぶくれしていて、レストランやカフェに入るのもタイヘンだったし、見た目もカッコ悪かった。
恒夫さん:電熱ウェアは、日中なら汗が出るほど暖かい。ヒーテックだと温度調整機能があるから、ありがたいんだよ。
明子さん:3段階調節ができるし、最新式の場合はスイッチも大きくて使いやすいよね。
恒夫さん:インナージャケットに付属するワイヤレスリモコンは便利。
哲夫さん:ハンドルに付けておけるから、操作がより簡単ですよね。
恒夫さん:ボタンを押すごとにウェアの温度が、強→中→弱の順に切り替わる。どの位置かは、ボタンの上にあるライトの色で判るんだ。
祐恵さん:休憩後のスタートも、瞬間10秒発熱ですぐに暖かくなるからありがたい。
明子さん:そうそう。手洗い洗濯ができるっていうのも嬉しいよね。
恒夫さん:いま僕が気になっているのは、インナーパンツと併用する「ヒートトゥウォーマー」。つま先を暖めてくれれば、もう完全武装だからね。(笑)
哲夫さん:いいなぁ~。僕はインナーパンツがどんな感じか、すごく気になる。試着してみると、ジーンズの下にも履くことができたから、ますます欲しいっ!
明子さん:グローブも2種類あって、シンプルな「ヒートレザーグローブ」と、カーボン素材を用いたプロテクターを配した「ヒートカーボンスポーツグローブ」が選べる。
哲夫さん:女性陣にはプレーンなヒートレザーグローブが人気のようだけど、僕はヒートカーボンスポーツグローブもワイルドで好きだなぁ。
祐恵さん:いずれにせよ、ヒーテックのおかげで私たちのツーリングはますます回数が増え、距離も長くなっているよね。
明子さん:うん。冬場のツーリングでも、寒さを意識せず走れるようになった。ヒーテックを着ていなかった頃は、寒さに負けちゃって走りに行こうという気にならなかったけど、ヒーテックを身につけてからは雪さえ降らなければ年中ツーリングに行けるようになった。
恒夫さん:冬のツーリングが、だいぶ変わったよね。たとえ極寒期でも気にせずツーリングの計画を立てられるよ。
哲夫さん:なんだか、こうやって話していたら、またハーレーで走りたくなってきたね。
恒夫さん:そうだね。今年の冬はどこへ行こうか。そうだ、VHの編集者さんも一緒にどう?
編:行きたいですけど、いろいろと話を伺っていると、もはや電熱ウェアなしではみなさんのツーリングには同行できそうにありませんね。(笑)
明子さん:うん、無理かも!(笑)
哲夫さん:おいおい、キッパリ言うなよ。(笑)
祐恵さん:アハハハ! たしかに冬場、ヒーテックなしで私たちについてくるのは無謀だわ。
恒夫さん:こうやって、私たちのハーレーライフがますます充実していく。もう、ヒーテックなしではバイクには乗れませんよ!(一同、納得し頷く)
横山 恒夫さん
ウルトラリミテッド
還暦になってから乗り始め、今年でハーレー歴9年目を迎えたという恒夫さん。愛車はグリップヒーターを標準装備するウルトラリミテッド。次期愛車に、トライクも検討中とのこと。いま気になるのはヒートトゥウォーマー。
横山 祐恵さん
スポーツスター1200ロー
電熱ウェアの存在を知るまでは、冬はとにかく着込んで、なんとか凌いでいたという祐恵さん。ヒーテックのインナーウェア&グローブを購入してからは、スマートなファッションが冬でも楽しめるようになった。ハーレー歴は7年。
平野 哲夫さん
スイッチバック
カジュアルに、そしてファッショナブルにスイッチバックを乗りこなす哲夫さんは、ハーレー歴2年。寒さには強いが、ヒートインナーパンツを試着し、ジーンズの下にも履けることを知ると興味津々。上下セットで着ても、ご覧のとおりスマート。
平野 明子さん
ローライダー
ファッションも楽しみつつローライダーを操る明子さんは、ヒートインナージャケットとヒートレザーグローブを愛用。その暖かさを知ってしまうと、ヒーテックなしの冬のツーリングはあり得ないとのこと。ハーレー歴は1年半。