ハーレーダビッドソン松戸に集う千葉チャプターのツーリングは、定例の日帰りツーリングが年回12回。その他、泊まりがけの温泉ツーリングや、有志のみが参加する日帰り1000キロツーリングなど、個性豊かなアイデアで一年中計画されている。定例ツーリングは毎月第三日曜日。11月の今回の目的地は、茨城県の西金砂そばの郷。そば工房で、実際にそば打ち体験をするという内容だ。
朝の気温は10度を下回り、ライダーの体感気温は、もう十分に真冬である。往復300キロほどの日帰りツーリングでも、防寒対策は重要な季節になった。集合場所である常磐自動車道守谷サービスエリアにて、ヒーテックの体験希望者にウエアーを配布する。インナーウエアーとしては上下のセットとグローブも繋ぐことができる電熱システムだが、今回は、上着のみの体験だ。
体験希望者のバイクには、あらかじめハーレー松戸にて、バッテリーからのハーネスを接続ずみ。つまり、ウエアはコネクター接続だけですぐに使用できる状態になっていた。使い方は簡単で、接続後はプッシュボタンを長押ししてオン。その状態が最大発熱のレッド表示で、ボタンを押すごとに3段階の温度調節ができる。ハンドルなどに取り付ける遠隔操作用のボタンは今回取り付けず、ベーシックな使用での体験ということになった。
「ヒーテックは首元も暖まるので、全身に暖かい血液が流れて芯から体が暖まります。冬のツーリングの概念が変わりますね、ヒーテックがあれば!」
中村光宏さんは、ヒーテックの快適さに驚かれた様子だった。
一般道に出ると、走行スピードも低下する上に気温もかなり上昇する。もう、電熱ウエアはなくても良いぐらいの環境になってきたのだが、そんな時には、スイッチをオフにしてしまえば良いのがこのウエアのメリットだ。普通の重ね着の場合、暑くて脱いでしまった衣服は、どこかに収納するか、バイクに括りつけるなどの手間が必要だが、その点でも有利なのである。
「昼間はスイッチオフでもまだ大丈夫ですね。でも帰りはまた寒くなるだろうからコレを着てると安心だよね」
細田英男さんは、以前から購入を考えていた人なので、この体験会はとても有意義だったと話してくれた。
朝の集合場所で希望者に配られるヒーテックウエア。気温は10度を下回っていた。
スイッチはプッシュ式で3段階。最初は長押しでオン。その後中間と弱が選べる。
ロードキャプテンとして先頭を走る武井宏さん。ツーリングの下見も完璧で、頼れるFLH乗りなのである。
タンデム以外での、唯一の女性参加者である田村栄子さん。ヒーテックの効果に驚き、ぜひグローブでも試してみたいと、さらなる快適さに期待されていた。
ハーレー松戸からは、メカニックの川越直さんが初参加。緊張の中でもマスツーリングを楽しみ、全員ノントラブルだったことが良かったと安心していた。
一行はそば打ち体験の後、十王ダムへと向かった。山あいの狭い道を進むのだが、気温の寒暖がある。日陰はずいぶんと寒いのだが、のどかな山村に出ると日がサンサンと降り注いでいて暖かなのだ。こんな時には遠隔操作できるスイッチがあるとこまめな温度調節ができて便利だろう。実際、走行速度や外気温変化で、温度調節する頻度は、真冬になればなるほど増えるものだと思う。
千葉チャプターのツーリングは、ロードキャプテンの武井宏さんを先頭に、実にきれいな流れを参加者全員で作り上げている。チャプターの役員は全員イエローのビブスをジャケットの上に羽織り。長い隊列が切れても、交差点や分岐点で後続を待ち、円滑なツーリングを実践しているのだ。参加者は49台と多めなグループでも、まったく脱落者や不満の声を聞かない、見事なマスツーリングなのである。最終解散地点である友部サービスエリアにも計画どおりの時間で辿り着き、山を彩る秋の紅葉とそば処のそば打ち体験、そして何より秋晴れの空の下で清々しくツーリングできたことの喜びを仲間で分かち合えたことが最もたのしいことに違いない。
「ヒーテックは、一度着るともう手放せないアイテムになるね。冬は必需品になることを確信したよ」
ロードキャプテンの武井さんも、今回ヒーテックを体験されたひとりだった。ハーレー好き、ツーリング好きのライダーは、年中ハーレーで走っていたいと考えているものだ。厳しい冬はもちろんのこと、春先でも活躍する電熱ウエア、ヒーテックはタフなライダーも認める最高のライディングウエアと言えるだろう。