ハーレーダビッドソンに乗る者ならば、誰もが憧れる本場アメリカの「ルート66」。イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまでの約2,347マイル(約3,755km)を結ぶ旧国道は、アメリカの映画や音楽といったポップカルチャーの舞台として広く知られるところで、人々は親しみを込めてマザーロードと呼ぶ。ハーレーダビッドソンでゆくルート66にはどんな光景が待ち受けているのか、その代表格とも言えるシーンをご紹介しよう。
出発地点のシカゴから92マイルほど北に位置する商業都市ミルウォーキーは、ハーレーダビッドソン発祥の地であり、今なおカンパニーが居を構える我らが聖地だ。ここに来たなら、まずは「ハーレーダビッドソンミュージアム」へ行かねばなるまい。偉大な歴史の第一歩となった初代ハーレーダビッドソン「シリアルナンバーワン」から、サイドバルブ、ツインカムまで歴代の名車がずらりと揃う。113年の歴史を余すところなく味わえる壮大な博物館だ。
記憶に残っている方もいるだろう、2011年3月11日に起こった東日本大震災によって太平洋に投げ出されたコンテナ入りのハーレーダビッドソンのことを。あの奇跡の一台が、ここハーレーダビッドソンミュージアムに安眠しているのだ。日本とアメリカ、そして私たちとハーレーのあいだに広がる絆を強く感じさせるコーナーには、心に訴えかけてくる何かが秘められている。
アメリカを訪れたなら、誰もが足を運んでみたいと思う偉大な世界遺産。ちょうどルート66がアリゾナ州を横断する途中にグランドキャニオンが存在する。今から約4000万年前の浸食によって生まれた大峡谷は、もっとも深い場所で約1.2km、最長が約446kmという想像を絶するスケールを誇る。地球の偉大さ、雄大さをその目で確かめてみてほしい。
ラスベガスとロサンゼルスのちょうどあいだにあるカリフォルニア州の小さな街アンボーイ。その街を横切るルート66の道中にある1938年創業の「ROY’S MOTEL & CAFE」は、ルート66の繁栄と衰退の歴史を物語る代表的なスポットだ。道に描かれたルート66の刻印はアメリカンポップカルチャーの象徴であり、これを見ずしてルート66は語れない。
新たな国道が開通したことで本来の役目を終えたルート66だが、その街道沿いには今なお古き良き時代のアメリカが姿を残している。1960年代当時のポップミュージックが流れ、進化を忘れたかのような街並みが続き、ハーレーダビッドソンにふさわしい景色を心ゆくまで味わわせてくれる。
アメリカという広大な大陸を横断する旅に欠かせないガソリンスタンド。このハックルベリーゼネラルストアは、かつてルート66をゆくカー&モーターサイクルをサポートする給油スポットで、今でこそその役割を終えているが、当時の歴史を物語るスポットとして多くの人々に愛され続けている。
1910年代にゴールドラッシュで沸いた鉱山の街オートマンは、かつての西部開拓時代の面影をそのまま残す”時を忘れた街”だ。西部劇に登場するガンマンがバーにたむろし、野生のロバが道を行き来するさまはルート66の新たな表情でもある。オートマンからのルート66も、また一味違うロードになっているので、ぜひ楽しんでみてほしい。
カジノの街ラスベガスの中心に構える、巨大なハーレーダビッドソンが飛び出した仰天のカフェ。日本では見かけることがないオリジナルグッズの数々に、実際にまたがることができる映画『イージー・ライダー』に登場したキャプテンアメリカ号など、見どころ満載のハーレーワールドが広がっている。そして超ビッグサイズのTボーンステーキはボリューム満点で絶品! ラスベガスの夜はここで決まりだ。
日本とはスケールそのものが違うアメリカをハーレーダビッドソンで走る……。想像力など及ばない世界が広がっているアメリカで夢を叶えるチャンスが、すぐ目の前にある。手にする一歩を踏み出すのは、あなた自身だ。