北海道道102号・網走川湯線を北上すれば、一時間ほどでオホーツクの海に出る。途中、藻琴山展望台からの屈斜路湖や、ちょうど盛りだった芝桜を眺めて、オホーツク海へ至ったところで、急に風を冷たく感じはじめた。
さざ波がおだやかな陽光に光っていても、ここはやっぱり北の海だ。
道東とはいえ、夏になれば真夏日を記録したりするほどだが、急に冷たい風が吹いたり、ガス(霧)の影響で体感温度が下がったりすることがある。ウェアなどの装備には注意して、上手なレイヤリングで対応したいところだ。
網走には、明治時代、道東の開拓に囚人を使役するために作られた、網走監獄があった。現在は博物館として、見学できるようになっている。
能取岬まで足を伸ばして、もと来た道を川湯温泉へと帰った。
EZO RIDER ツーリングの特徴は、川湯温泉を滞在地にしていること。
「朝、出かけて、夕方、帰る」
実際に体験するまでは、この拠点型ツーリングの良さは、正直言って分からなかった。 これまでは、北海道といえば周遊するものだと、あたりまえのように思い込んでいたけれど、決まった場所を車輪の「ハブ」のように、出かけて戻るかたちにすれば、毎日重たい荷物を積む必要もないし、悪天候に無理をする必要もない。それが思ったよりも快適だし、安心感があることに気が付いた。
|
|
|
| |||||
※小さい写真をクリックすると、拡大表示されます |
夜から降り出した雨が、少しだけ残った朝。無理をせず、雨があがるのを待って、川湯温泉の近くで楽しむことにした。
摩周湖の地下水が湧き出しているとも言われる「神の子池」から、裏摩周の展望台、取ってかえした屈斜路湖では砂湯を掘り、お昼すぎ、川湯温泉に戻った。
というのも、初日は千歳でバイクを受け取って、川湯温泉まで走ってきたけれど、帰りは別の方法にしたから。バイクは、川湯温泉のEZO RIDER川湯営業所から送り出してもらって、僕たちは最寄りの女満別空港から飛んで帰るのだ。
釧網本線に乗り、JR川湯温泉駅から網走駅まで。原野の中の、オホーツク海沿いの単線を、一両編成のディーゼル車が走る。絵に描いたようなローカル線のたたずまい。北海道は、鉄道の旅もいいものだ。
夕暮れの女満別空港を発ち、およそ2時間後、僕たちは帰宅を急ぐ人であふれる、日曜日の東京にいた。
|
|
|
| |||||
※小さい写真をクリックすると、拡大表示されます |
山田 武さん いつかは走ってみたかった憧れの地“北海道”。それは想像した以上に遥かに広大で、眩しいくらい目に飛び込んでくる原色の緑・青・白という大自然を「五感で感じる!」まさにそんな感じでした!何処までもどこまでもつづくロード。その両側奥深くまで広がる、叫びたくなるような草原!走るたびに移り変わる壮大な景色に、ゆったりと流れる時間を感じながら、立ち止まってはそれを全身で受け止め「今、自分はこの中に居るんだ!」そんな感動を押さえきれず思わず叫んだ「楽しぃ~!」の一言。それが全て♪そして次への始まりかな! |
川原 整さん 拠点地とした川湯温泉から荷物を積まず、日帰りツーリングのように見知らぬ大地を走る軽快感、贅沢感は格別。 |