夏にもなれば、函館や苫小牧に到着したフェリーから、バイクが続々と上陸し、北海道はツーリング･ライダーで大いに賑わって、それと知られたキャンプ場にはライダーたちの小さなテントが幾張りも並び･･･。
そんな時代はずいぶん前のことになってしまったけれど、北海道が、「バイクに乗っているのなら、一度は走ってみたい場所」の筆頭だということは、今でも変わっていない。
たとえブームが去ったとしても、一時的なブームに関係なく、バイクを、ツーリングを楽しむ人にとって、やっぱり北海道は特別な場所なのだ。
とはいうものの、行ってはみたいのはヤマヤマなものの、コトはそう簡単じゃない。 仕事々々の毎日を送っていると、長い連休を取ることなんて「ほとんど無理！」な人が多いはず。
そんな僕たちのために、「有給休暇を2日と土日の休みを使った、4日間の北海道ツーリング」を計画してみた。2日の有給休暇なら、仕事の都合もつけることも、なんとかできそう。
･･･え？たった4日じゃ、往復の自走とフェリーで2日必要だし、せっかくの北海道は2日間だけかって？ いやいやいや、そんなこと、ないんだな～。
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ツーリング当日、集合場所になったのは、羽田空港。間違ったわけじゃない。ここから北海道･千歳空港までは、空路なのだ。
じゃあ、バイクは現地でレンタル？ それもいい手だけれど、今回のツーリングは自分のバイクで。
もしかして、バイクごとエアカーゴで？ それも贅沢でいいね～。今がバブルの時代なら･･･。
実は、すでにバイクは事前に北海道へ発送していて、千歳空港の近くで受け取る手筈になっている。そう、このツーリング記事は、このサイトでモニターを募集した「EZO RIDER ツーリングパック」の当選者との同行記なのだ。
･･･というわけで、およそ2時間後、僕たちは北海道の大地を、自分たちのバイクで走り出していた。
当選者の山田さんと川原さんは、スポーツスター仲間。山田さんにとっては、はじめての北海道ツーリングとなる。
今回のツーリング･テーマは、「滞在型の日程で、北海道らしさにあふれる道東エリアを満喫」すること。ひとまず目指すのは、旅の滞在地となる川湯温泉。道東（北海道の東部）・阿寒国立公園の中にある、静かな温泉地だ。
目的地は川湯温泉ながら、襟裳岬を経由する迂回ルートを選択。
400キロ以上の走行距離になるが、流れのよい北海道なら、無理じゃない距離。だけど、襟裳国道を下っている途中から、だんだん霧が濃くなってきて･･･。岬に着いたころには、世界は真っ白、視界ゼロ。しかもバイクがあおられるほどの強風で･･･。
※現在は、千歳空港から車両引き渡し場所まで送迎付きとなりました（7月1日～9月30日まで）
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早朝に出発して向かったのは、釧路市の和商市場。北海道に来たならば、ウニにイクラにカニ、ホタテ、豊富な魚介はマストで食べたいところ。
和商市場の名物といえば、自分オリジナルの海鮮丼が作れる「勝手丼」。
どんぶりご飯だけを用意して、市場のお店をまわりながら、あれこれ好きな具材だけをのっけていくもの。どんな丼ができるかで、その人の性格が分かるとか･･･？
北海道へ来たのなら、「どこまでも、地平線までまっすぐに続く道を走りたい」と思うはず。
実は、道東エリアはそんな道だらけ。
「北十九号線」をはじめとした有名な道だけが特別というわけじゃない。名前さえもないような農道が、ハッとするほど美しく伸びていったりしているのだ。 勝手丼のように、「自分だけの名ロード」をさがしてみても楽しそうだ。
北海道にも、きつめの峠道や海岸線をなめるような道はあるものの、「まっすぐな道とまっすぐな道を、ゆるやかなカーブがつなぎ、そこにおだやかなアップダウンが加えられる」、そんな道路が多い。左右ひろがるのは、白樺の林か牧草地、大規模農地、まだ人の手が入っていない原野だったりする。だから、1本として同じ道はないし、走り飽きることもないのだ。
この日は、ライダーの聖地ともいわれる「開陽台」に立ち寄って、川湯温泉へ少し早めに戻った。
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