掲載日/2013年8月14日
ツインカムモデル全般のカスタムやチューニングを得意とし、
最近ではドラッグレースに参戦するお客さんをサポートするなど、
精力的な活動力から注目を集めるショップがある。
毎日ダイノマシンをフル稼働させるのが、
兵庫県のクスノキカスタムワークスだ。
当店のお客さまはツインカムが多く、フルノーマルで乗っている方は少ないです。純正スタイルといってもマフラーやエアクリーナーは皆さん換えられていますね。そのため、当店で扱うハーレーはほぼすべてダイノジェットによるF.I.チューニングが施されています。
よく、チューニングをすることは『無理をさせて、エンジンが本来持っている力以上を引き出す』ことだと勘違いされる方がいますが、実はそうではありません。人間には“火事場の馬鹿力”がありますが、バイクにはそういう力はないですからね。ガソリンをどんどん入れたからといって、パワーが出るというものではないのです。あくまでも“基準”があって、プラスにしろマイナスにしろ、そこから大きく離れるとエンジンはパワーを発揮しない。チューニングとは、エンジンが本来持つパワーをキレイに出すことなのです。
さらに人間の個性が十人十色のように、ハーレーもまた一台一台個体差があると僕は考えています。それはたとえば同じ年式のエンジンで、マフラーやエアクリーナーなどが同じであったとしても、エンジンの組み付けクリアランスがコンマ数ミリ違っていたり、季節による金属の膨張率の変化などによって、まったく同じということはないのではないか、と。もちろんコレはデータを取って実際に個体差を測ったものではなく、僕の個人的な感覚なのですが、だけどやはり、すべて同じセッティングでは良くないでしょう。
だから一台ずつキチンとセッティングを出すことはとても重要なことだと思っています。また、当店ではV.D.A主催のドラッグレースに参戦する3名のお客さまをサポートしていますが、そうしたフルチューンエンジンはもちろんのこと、純正スタイルのライトカスタムでも、すべてのハーレーにはF.I.チューニングが必要です。“火事場の馬鹿力”ではなく、エンジンのパワーを“基準”どおりに発揮させてこそハーレーの本来あるべき姿であり、オーナーさんは楽しく乗れるものだと考えています。