千葉県の船橋市にあるクラブゼニス。もう20年以上ハーレーのカスタムを得意とするショップとして定着しているが、この春大きなチャレンジとして、従来のチョッパー系カスタムだけではなく、ストックのスタイリングを完全再生させるというプロジェクトを始動した。
再生とは、蘇らせるということ。クラブゼニスの社長である宇井鉄也さんは、特殊なマニアだけが好む「完全なる純正パーツ」だけにこだわるような再生ではなく、長年のメンテナンス経験に基づくパーツ選びで、耐久性のある実質的な再生を目指すという。
「純正パーツだけにこだわっていると、作業はなかなか進みません。しかも見えない部分には現代的ノウハウで洗練された加工精度を追及したいので、純正品だけにとらわれない作業が必要なんです。そして、長く乗れるショベルを作り出す。当時販売されていた新車よりも頑丈で魅力的な一台を制作することが現代ならできるんですよ」
ショベルの時代、ハーレーはAMFの傘下にあり、その量産体制はあまり好ましいものではなかったと言われている。それに加えて、当時の日本はまだハーレーを本格的に扱えるメカニックが不足していて、本調子で走らせることができなかったという事情もあったことだろう。しかし、現代は違う。古いエンジンを好む愛好家やショップも多く、再生されて走行可能なショベルは、以前よりもコンディション管理という意味で環境が良くなっていることは事実だ。
クラブゼニスでは、今まで数多くのショベルヘッドモデルを販売し、カスタムも得意なショップ。ベース車両はアメリカから輸入し、徹底的にハードのシェイプアップを施して販売してきた実績がある。そのノウハウを持って、当時のシルエットを蘇らせる「完全再生モデル」を制作することになったのだ。
ベースモデルはすべて分解され、機能パーツだけではなく、外装の細かいパーツにも手を入れる。塗装やメッキ部分も再生し、一台仕上げるのに手間を惜しまないのである。
ベースモデルは1972年のFLH1200である。コンディションは上々だったが、パーツは経年劣化が進んでいた。そこですべて分解し、オーバーホール。塗装やメッキも再生し、税込み298万円で販売。2年または10000kmの保証付き。
クラブゼニス
住所/千葉県船橋市宮本9-10-1
Tel/047-495-8198
営業/10:00~19:30
定休/水曜
ウェブサイト/http://www.c-zenith.com/