いつかはハーレーダビッドソン。現在は他メーカーの車両を所有していても、世の中にはそんな思いを胸に秘めたライダーが大勢いる。もっとも、ハーレーダビッドソン=高額車というイメージが浸透しているためか、全国各地のディーラーに足を運ぶ前に、何となくハードルの高さを感じてしまう人がいるようだが……。
ハードルの高さを感じる必要はない
近年の大型車の基準で考えるなら、ハーレーダビッドソンは必ずしも高額車ではないのだ。最上位機種のツーリングファミリーは300万円台が主力だけれど、親しみやすい車格のスポーツスターファミリーなら134万4200円~、昔ながらの伝統と現代のカスタムを巧みに融合したソフテイルファミリーなら169万9500円~という価格で、購入することが可能なのだから。
ハーレーダビッドソンのどんな部分に魅力を感じるのかは各人各様だが、オーナー全員が実感しているのは、常用域でのライディングの楽しさだろう。この要素に関しては、昨今では他メーカーも力を入れているものの、ムキになって飛ばさなくても、市街地や高速道路を流すだけで充実感が得られるという点で、古くから常用域に特化した開発を行って来たハーレーダビッドソンに勝るモデルは存在しない。そのあたりを踏まえたうえで、以下にバイクブロスのオススメとなる、5機種を紹介しよう。
今年から発売が始まったソフテイルスタンダードの特徴は、余分な装備を削ぎ落としたシンプルな構成。他のソフテイルファミリーが、独創的な装備で個性を追求しているのに対して、このモデルはあえて“素”と言うべき状態で販売されているのだ。その背景には、“カスタムベースとして楽しんで欲しい”という意図があるようだが、車重がソフテイルファミリーの中では軽い部類で、タイヤサイズがオーソドックスな100/90B19・150/80B16で、ミニエイプハンガータイプのアップハンドルを採用したスタンダードは、素の状態でも十分に魅力的である。見方によっては装備がシンプルなぶん、ソフテイルファミリーの本質が最も味わいやすいモデル、と言えるのかもしれない。
1991年に公開された“ターミネーター2”に登場したことで、爆発的な人気を獲得したファットボーイは、今年で30周年を迎える。それを記念して今年度のハーレーダビッドソンは、世界限定2500台で、ファットボーイの特別仕様車を発売。通常モデルがラグジュアリー感を意識したサテンクローム仕上げであるのに対して、30周年記念車は、ビビッドブラックを基調としたダークなカラーリングを採用。なお往年のリジッド式リアサス=ハードテイル風でありながら、車体中央にリアショックを配置していることや、リアに極太の240サイズタイヤを履くこと、1868ccのミルウォーキーエイト114を搭載していることなどは、ファットボーイの標準モデルと共通だ。
1977年の初期型登場以来、スポーティなビッグツインとして、数多くのライダーから支持を集めて来たローライダー。2020年から発売が始まるSは、2016~2017年に販売された同名車の再現……と言えなくもないけれど、運動性能にはさらに磨きがかけられている。ひと目でわかる2016~2017年型S、そして2019年型標準モデルとの相違点は、フロントに配置された倒立フォークやモトクロスタイプのハンドルバー、ダークブロンズ仕上げのアルミキャストホイールだが、ミルウォーキーエイト114の導入や、旋回性を意識して30.5/30→28度に立てられたキャスター角なども、既存のローライダーとは一線を画する要素。なおブラックで統一された車体色は、部位に応じて、リンクル、マット、ジェット、グロスの4種を使い分けている。
カムシャフトが1または2本で、エンジンとミッションが別体式のビッグツインに対して、カムシャフトが4本で、エンジンとミッションが一体式のスポーツスターファミリーは、運動性重視にして、小柄で親しみやすいハーレーダビッドソンという位置づけ。そして現在のこのファミリーで、最もスポーティなモデルはロードスター、最も親しみやすいモデルはスーパーローだが、昔ながらの伝統を最も色濃く受け継いでいるのは、883アイアンだ。何と言っても、ライダー込みの重心高/シート高がロードスターの次に高く、ライポジが比較的ナチュラルで、伝統の19/16インチタイヤを履き、必要にして十分な燃料タンク容量を確保しているアイアン883は、かつてのベーシックモデルだったXL883に通じる資質を備えているのだから。
2018年から発売が始まったアイアン1200は、アイアン883の兄貴分……ではあるけれど、ベーシックモデルとしての資質を備える弟分とは異なり、チョッパーテイストを追求。その象徴と言えるのが、ミニエイプハンガータイプのハンドルとビキニカウルだが、ローダウン仕様の前後ショックの採用で、アイアン883に対して、最低地上高/シート高を140/760mm→110/735mmに下げたことも、このモデルの素性を語るうえでは欠かせない要素だろう。ただし前後タイヤは、アイアン883と同じ19/16インチを選択している。
先着200人限定で行われる、超お得なキャンペーン
人生初のハーレーダビッドソンとして、どんなモデルをどんなタイミングで購入するかは人それぞれ。とはいえ、今回紹介した5台を含めた、スポーツスターファミリーとソフテイルファミリーの購入を考えているライダーは、今が決断のときかもしれない。
と言うのも、4月30日までのハーレーダビッドソンは、スポーツスターファミリーとソフテイルファミリーを対象とした、
THE BIG CHANGEキャンペーンを開催しているのである。このキャンペーン期間内に、第一種/第二種原動機付自転車を除く日本車を、全国各地のハーレーダビッドソンディーラーで下取りに出し、スポーツスターファミリーかソフテイルファミリーの新車を購入すると、なんと15万円ものサポートが受けられるのだ。いずれにしても、この文章を読んでいるあなたの胸の奥に“いつかはハーレーダビッドソン”という思いがあるなら、今回のキャンペーンをひとつのきっかけとして、最寄りのハーレーダビッドソンディーラーを訪れてみてはどうだろうか。