「ダイナで FLだって?」 これまでのラインナップを知る人からすれば、そう反応したとしても不思議ではない。「FXから始まるコードこそがダイナ」という既成概念を覆す存在として、FLD Switchback -スイッチバック- が登場した。本モデル最大の魅力は、その名に記されたとおり使用用途によって素早く“スイッチ”できるところ。標準装備とされるウインドシールドとサドルバッグはデタッチャブル(取り外し可能)式で、手順を知ればわずか数分で取り外せてしまう。つまりこの一台で、ロングツーリングから街乗りまで使い分けられるのだ。
ヘッドライトナセルに2in1エキゾーストシステム、フットボードの標準装備、フルカバードサスペンションなど、特筆すべきポイントは多々あるが、やはり全体のスタイリングこそスイッチバックの特徴と言えるだろう。往年の名車 FLH をほうふつさせ、現行モデルながらヴィンテージルックにまとめたその姿は、ローライダーやワイドグライドといった従来モデルに目が慣れたユーザーにとっては違和感があるかもしれないが、ハーレーだからこそ表現できるスタイルなのだというファクトリーの意思表示と言えるし、それを素直に受け止めたいとも思う。先入観を取り払ってこのモデルと向き合えば、“ハーレーに乗る”楽しさの幅が広がること請け合いだ。
評価が二分しそうなモデルと言えますが、個人的にはかなり好印象です。「ツアラーが欲しいけど、重くて乗られない」という方も今まで何人かいらっしゃいましたので、そうしたユーザーにとってはうれしい選択肢増ですよね。“ダイナでツアラー仕様”というだけで、女性ライダーにとっても受けがいいと思います。またカスタムという点でも、実際に自分が触ることをイメージしたら楽しそうですよね。フルカバーのサスペンションやナセルなど、旧車ならではの良いテイストを持ち合わせているので、例えばメッキパーツを多用し、タンクなんかも AMF 時代のグラフィックでまとめたりすれば、かなり面白い仕上がりになると思います。都会サイズで楽しめるツアラー、このキャッチだけで気になる人は多いでしょうね。
(ハーレーダビッドソン シティ川越店 マネージャー松本 泰輔氏)