カンパニーが考えうる最高のファクトリーカスタムモデルがラインナップされるCVO。各ファミリーとは違ったカテゴライズながら、あらゆるファミリーのさらに上に存在する究極のモデル群。このCVOだからこそ体感できる特別な世界が間違いなく存在する。
「カスタム・ヴィークル・オペレーション」の頭文字を用いているCVO。このカテゴリーが日本に導入されたのは2008年のことで、FLHTCUSE3 エレクトラグライドウルトラクラシックとFLHRSE4 ロードキングの2モデルからでした。当初は新しいプロモーションの一環かと思われていましたが、以降、ニューモデル発表時にレギュラーとして組み込まれるようになり、現在に至ります。
その名のとおり、ハーレー純正パーツの中でも最高クラスのものを余すことなく取り入れた究極のファクトリーカスタムモデル。それも、後付けでこれだけカスタマイズしたらおさまるはずのない価格に抑えられているのも見どころでしょう。ハーレーが提唱するカスタムスタイルを極めたいと思っている人にとって、CVOは見逃すことのできないカテゴリーなのです。
基本的にCVOはベースモデルありきで生み出されるものですが、過去に一度、CVOモデルが先に出て、それからスタンダードモデルが登場するという例外がありました。それがブレイクアウトです。2013年モデルの新型車としてFXSBSE CVO ブレイクアウトがまず登場し、その2014年に現行モデルにあるFXSE ブレイクアウトが生み出されたのです。CVOが先んじるというケースは極めて稀。今後、こういったケースが珍しくなくなるかもしれませんね。
まず最たるポイントは、搭載されているエンジンでしょう。2016年モデルに関して言えば、最高位にあたるツーリングファミリーのウルトラで排気量1,689cc/ツインカム103なのに対し、CVOの4モデルはすべてが排気量1,801cc/スクリーミンイーグル・ツインカム110が備わっています。しかも、ストリートグライドに至ってはロワフェアリングが備わったことでツインクールド化(空水冷エンジン)しているのです。間違いなく後付けでカスタムしたら、この販売価格ではおさまりません。
パフォーマンスキットのみならず、各種クロームパーツやヒーテッドアイテム、サウンド系キットなど、ありとあらゆる純正カスタムパーツでパッケージ化されたCVO。さらに2016年中間期モデルとして登場したFXSE プロストリートブレイクアウトは、ベースモデルありきのオリジナルカスタムモデル。グラフィックもハーレー純正P&Aカタログには載っていない特別仕様なので、CVOカテゴリーでありながら完全なオリジナルモデルという、ひとつのファミリーへと進化しつつある傾向がここに見られます。
エンジン排気量が大幅にアップして、装備も豪華。パッケージ化しているので価格も抑えられており、なおかつメーカー保証までつくという至れり尽くせりなCVO。真に「最高峰のハーレーダビッドソンを所有したい」という方にとって、ファーストチョイスとなるカテゴリーであることは間違いないでしょう。