お気に入りのブランドオイルにスーパーゾイルを注入しても良いし、スーパーゾイル添加済の高性能オイルを利用するのも良い。4ストミニの耐久レースで100%化学合成のゾイルオイルを使用し好結果を得ているチームも数多い。もちろん、街乗り4ストミニでも好結果を得られた実績は数多い。
「4ストローク単気筒エンジン」という枠で捉えた場合、4ストミニバイクによる「耐久レース」シーンも見逃せない。数多くのファンに愛されているホンダのエイプ100やNSF100に搭載される「縦型エンジン」のルーツを紐解くと、その歴史は実に長く、もはや旧車用エンジンとして分類しても何ら問題は無い。縦型エンジンの歴史は、1971年に発売されたCB50に遡る。なんとも37年前に基本設計されたエンジンなのだ。そのベースエンジンに数多くの改良を重ね、排気量アップを果たし、進化し続けてきたのがエイプ100やNSF100であり、それらをベースにフルチューンした125ccエンジンは、もはや20馬力を超える時代となっている。エンジン回転に置き換えると、縦型チューンドエンジンの常用回転域は1万3000rpm前後。排気量の小さな75ccフルチューンエンジンでは、オーバー1万5000rpmのケースもある。ノーマルのCB50でも、楽々1万5000rpm回す事ができるが、チューンド75ccや125ccエンジンの1万5000rpmとの最大の違いは、その回転域までの「到達速度」にある。ジワジワ回転上昇するノーマルエンジンに対して、チューンドエンジンではタコメーターの針も一気に上昇。つまりハイチューンドエンジンの場合は、同じMAX回転でも到達スピードが圧倒的に速く、その分、エンジン内部の回転部分や摺動面は、想像以上に過酷な状況となっているのだ。そんなエンジン仕様だからこそ、回転抵抗や摺動抵抗を減らすことが「エンジンコンディションを保持するためのキーポイント」になる。まさか当時のホンダエンジニアたちは、37年後のブレイクを想像できなかったはずだ。
使い切ったつもりでも、ボトル内には微量のスーパーゾイルが残る。この微量を無駄なく使い切りたい。特に、耐久レース中のピット作業時に、フロントフォークへ塗布することで安定したフォーク作動性を持続できる。
以上のように、4ストローク単気筒エンジンの可能性は極めて高い。しかしその一方で「性能追求に対する代償」があることも忘れてはいけない。そのような代償や懸案を最小限に抑えるのに効果的なのがスーパーゾイルだ。事実、ツインリンクもてぎのDE耐!や鈴鹿サーキットのミニモトでは、数多くのエントラントがスーパーゾイルを利用しているのだ。エンジンオイルの容量比で10%の注入がベストレシピと言えるスーパーゾイルだが、実は、エンジンオイル以外でも、「違った好結果」を得られているのをご存じだろうか。耐久レースに出場し、完走経験があるエントラントならご理解いただけると思うが、バイクのコンディションはラップ数が増えるに従い変化していくもの。スタート当初は良かったが、ライダー交代によって2回目のライディングに入った際に「バイクも疲れている」ことに気が付く例は多い。例えば、コーナリング中の前後サスペンションの動きがシブく感じたり、ギヤチェンジがスムーズにできなかったりなどなどが、「お疲れ様」症状のひとつである。そんな症状を最小限にするためにも、ピットイン作業時やライダー交代時には、フロントフォークのインナーチューブ摺動部にスーパーゾイルを塗布したり、リアショックユニットの患部へはゾイルスプレーを吹き付けるなどするのがよい。連続走行によってパーツが温まっている際の処方は、摩擦熱による金属化合物の形成促進という意味でも効果的だ。さらにドライブチェーンへのオイル給油は効果的だ。チェーン回転時のフリククションロスは想像以上に大きいため、やはり連続走行で温まったチェーンにスーパーゾイルを吹き付けると、即効的にゾイル効果を得ることができる。特に、雨天コンディション走行時は、チェーングリスが洗い流されてしまうため、ピットイン時のグリスアップは必須。こんな際にもスーパーゾイルを吹き付けておくことで、金属表面が改質され、後にドライ環境になってもゾイル効果をある程度は持続できる特徴もあるのだ。今まさにDE耐!や鈴鹿ミニモトの決勝レース直前である。こんな4ストミニによる耐久レースでこそ、エンジン&車体で「ゾイル効果」を体感していただきたい。