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バージンハーレー.comでは「新型コロナに負けるな!」というコンセプトにより、手軽に楽しめる過去アーカイブ記事を紹介させていただきたいと思います。まずは大人気コンテンツの「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」をご紹介します。じっくり読んで、ハーレーダビッドソンのウンチクを身につけていただければと思います。
ハーレーダビッドソンが現在ここまでメジャーな存在となったのは、エボリューションの実績が大きい。98年をもって引退したエボリューションを学んでみようかの。
オレにもわかると大評判の「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」、その第27時間目はエボリューションについてである。1984年にオールアルミのニューエンジンとして登場したエボリューションは、それまでのショベルヘッドの有機的なイメージとはずいぶん異なるスクエアなデザインを採用しておった。ハーレーダビッドソンのOHV・Vツインは1936年のナックルヘッドから始まったわけじゃが、ナックル/パン/ショベルという進化の過程はあくまでも前モデルのイメージを踏襲した上でのニューエンジンという印象が強かったのに対し、エボリューションはショベルまでの古めかしさをみじんも感じさせないモダンなデザインで売り出された。外観だけ でなく乗り味もまたしかり。荒々しい加速フィーリングは角が取れてマイルドとなり、それゆえ発売当初は賛否両論がさかんに飛び交った。「エボ・バッシング」なる現象をも巻き起こしたことは記憶に新しいのう。
しかしエボリューションは、それまでの「ハーレー=壊れる」というイメージを払拭したことも事実。オイル漏れやトラブルもショベル以前に較べると激減したしのう。同時にチューニングに対する可能性を大きく広げたこともエボリューションの特徴。吸排気系のみならず、排気量をア ップして飛躍的なパワーアップを図ることさえ容易になったのじゃからな。ちなみにエボリューションにはブロックヘッドという呼び名が与えられたが、これはショベルやパン、ナックルほどには一般的にならなかったのう。これはいったい何故じゃろう?
エボリューションのもうひとつの特徴は、ショベル時代の比ではない様々な派生モデルが誕生したことじゃろう。パンヘッド時代まではFL系モデルのみだったビッグツインは、ショベル時代にFX系(スーパーグライドやローライダー、WGなどという名車は今だ根強いファンが多いのう)と FLT系が登場。それがエボリューションになると、リジッドを模したソフテイルやラバーマウントを使用したFXR、その進化型であるダイナグライドといったさまざまなフレームが開発され、それぞれのフレームごとに仕様の異なるモデルがラインナップされたのじゃからな。エンジンの信頼性と高いポテンシャルに豊富なモデル・ラインナップがあいまって、エボリューションは世界各国で大ヒット。ショベル時代に経営危機に貧したハーレーダビッドソン社を見事立ち直らせるまでの人気を獲得したのじゃよ。
エボリューションの後を引き継いで登場したツインカム88は、外観/乗り味ともにあくまでもエボを引き継ぐテイストが与えられておる。ということは、ナックルからショベルに至ったビッグツインの流れはいったんそこで終結し、エボリューションから新たなる流れに生まれ変わったと言うこともできるとワシは思うのう。とはいえ空冷OHV・Vツインという基本姿勢はまったく変化なしじゃがな。
というわけで第27時間目はこれで終了。ではまた、ホグホグ。