この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
バージンハーレー.comでは「新型コロナに負けるな!」というコンセプトにより、手軽に楽しめる過去アーカイブ記事を紹介させていただきたいと思います。まずは大人気コンテンツの「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」をご紹介します。じっくり読んで、ハーレーダビッドソンのウンチクを身につけていただければと思います。
キャブレターが作り出す混合気を吸い込んで圧縮して爆発する。これまでの講義でこれは理解しているはずじゃが、今回はその行程を少しばかり詳しく学んでみようかの。
俺でも解ると大好評の「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」、その第13時間目のお題は、吸排気のキホンである。
吸排気というのは吸気と排気、つまりエンジンがキャブレターから吸気ポートを経由して混合気を燃焼室内に吸い込んで爆発し、排ガスを排気ポート→マフラーへと吐き出す行程のことを言う。ハーレーのVツインエンジンの吸排気の行程は、図解をじっくりと見れば理解できるじゃろう。吸排気はバルブの開閉によって行われ、そのバルブの動きはカムシャフトによってコントロールされているわけじゃ。
ハーレーのVツインはOHVじゃから、カムはクランクケース右側のカバーの中に入っており、そこから伸びる4本のプッシュロッドがシーソーのような動きをするロッカーアームを押すことに よって、4つのバルブをそれぞれ動かしておる。バルブは燃焼室を密封するようにバルブスプリングでしっかり固定されており、カムに押されたプッシュロッドがロッカーアームの片側を押し 上げ、その反対側が下がってスプリングを縮めることによってバルブが聞くのである。言葉で解説を聞くと、なんとも複雑と思う者も少なからずいるじゃろうな。
前後のシリンダーが1回爆発するたびに4つのバルブが一度づつこの動きをしておる。たとえばエンジンが6000回転で回っている時のことを考えてみよう。4ストエンジンは2回転に一回爆発す るから、1分間に6000回転ということは両方のシリンダーでそれぞれ1分に3000回づつ爆発し ているということ。つまりバルブはそれぞれ一秒に50回開閉しているワケじゃ! いやはやエンジンというのはすごい仕事をしておるのう。普段はなんの気なしに走っておるが、こう考えると感謝の気持ちも湧いて来ようというもの。いかがかな?
「ハイカム」という言葉を聞いたことはあるじゃろう。「ハイカムを入れるとパワーが上がる」などと言われるが、それはなぜか。ハイカムはノーマルのカムに較べて山が高く幅広く設計されており、その分だけバルブが開く量が大きくなる。その結果、燃焼室に入るガソリン混合気の量も多くなるから、爆発も強くなるわけじゃな。カムの山が高ければバルブの開く量(リフト量と言う) が大きくなり、カム山の幅が広くなればバルブの空いている時間(デュレーションと言う)が長くなる。つまりハイカムは「ハイリフト/ワイドデュレーション・カムシャフト」を略した言葉。カタログを見ると驚くほどいろんな種類のハイカムがあるが、これはリフトとデュレーションの量や組み合わせによってパワーや出力特性が大きく変わるため。マイルドなストリート用から超ホットなドラッグレース用までがラインナップされておるから、自分のバイクとの付き合い方を考えて選ブといいじゃろう。
というわけで13時間目は終了。ではまた、ホグホグ。