VIRGIN HARLEY |  11時間目 電気について学ぶ。ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座

11時間目 電気について学ぶ。

  • 掲載日/ 2015年11月27日【ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座】

この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

バージンハーレー.comでは「新型コロナに負けるな!」というコンセプトにより、手軽に楽しめる過去アーカイブ記事を紹介させていただきたいと思います。まずは大人気コンテンツの「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」をご紹介します。じっくり読んで、ハーレーダビッドソンのウンチクを身につけていただければと思います。

ハイブリットカーの「プリウス」ではないが、すべての乗り物はエンジンの回転によって起こした電気を使って走っておる。そこで今回は電気の基本、点火について考えてみようかの。

俺でも解ると大好評の「ブタでもわかるハーレーエンスー入門講座」、その第11時間目のお題は電気についてである。

エンジンというのはガソリンと空気と電気によって動くもの。ガソリンと空気がキャブレターによって霧状の混合気になり、それが圧縮されてプラグのスパークで火がついて爆発する。これがエンジンの回る最も基本的な要素なのじゃ。この三大要素のひとつである電気については「目に見えないから分からない」などと敬遠しがちな者が多いようじゃが、喰わず嫌いはいい加減にして今回はこの電気の基本的な仕組みを学んでみることにしようかの。

4ストロークエンジンはピストンが2回上下する間に吸気/圧縮/爆発/排気という行程を繰り返しておることは最初の講義で説明したが混合気がキャブレター→マニホールド→ポート→バルブと経由して燃焼室に流れ込み、それがピストンの上昇によって圧縮された状態のときにプラグが点火することによって強い爆発が得られるわけじゃ。

点火時期という言葉を聞いた事のある者は多いじゃろう。これはピストンが上がって混合気が圧縮される行程のどのタイミングでプラグをスパークさせるかと言うこと。早めに火をつければ燃える時聞が長いからパワーは出るものの、ピストンが上まで上がりきっておらず、圧縮も最大ではないためノッキングや異常燃焼が起こりやすくなる。また点火時期が早いとピストンが押し戻されやすくなるため、キックペダルを踏み込むときに「ケッチンを喰らう」確率が高くなる。イヤじゃのう、ケッチンは。

そこでエンジンの点火システムには、低回転時は点火時期が遅く、回転が上がるにつれて点火時期も早くなっていく自動調整装置(自動進角と言う)が備わっておる。もっとも自動進角が採用されたのは1970年からで、それ以前のハーレーはハンドルバーの左グリップをアクセルのように回すことによって点火時期を手動で調節しておったのじゃ。

自動進角のシステムも時代を追うごとに進化しておる。最も古いものはポイント式。回転が上がると遠心力で外に聞くスプリング式のガバナーというパーツで点火時期を調整し、機械式のポイ ントという装置でプラグをスパークさせるというもの。その後機械式のポイントの代わりに点火時期をセンサーで電気信号に変えてスパークさせるセミトランジスタが開発され、それも今ではモジュールと呼ばれるコンピューターですべてを管理するフルトランジスタに取って代わられた。エンジンが進化しているのと同様、点火のシステムも進化しておるというわけじゃ。

もちろん進化したシステムはすばらしいものじゃが、古いものにもそれはそれで利点もある。た とえばフルトランジスタはモジュールがイカれてしまえばアッセンブリで交換しない限りは絶対 に走らんが、ポイントなら調整したり磨いたりコンデンサーを交換したりとライダーが自分で修理やメンテナンスができるのじゃからな。ま、今どきのフルトラは故障も少ないし、狭いニッポンならパーツがどこでも手に入るので、ポイントのアドバンテージはほとんど無いかもしれんがな。

またここ数年、社外のメーカーからチューニングパーツとしてさまざまな点火システムが発売されておるが、これはなかなか良くできているものが多い。興味のある者はショップで群しく尋ねてみることじゃ。

以上てで1時間目は終了。ではまた、ホグホグ。

 

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