ハンドルバーの交換カスタムは、ハーレーカスタムの中でもとりわけ人気の高いメニュー。その最大の理由はスタイリングで、ライディング時のフォームはもちろん、バイクだけを見たときでも「あ、このハンドルに換えたんだ」と気づいてもらいやすい部分だと言う点がある。また交換そのものも比較的手軽であることも付け加えられるだろう。しかしこの部位を交換することで、それまでの乗り方や乗り味がまったく異なるものになるという点を忘れてはいけない。今回はそんなハンドルカスタムについて、基本的な部分を解説していきたい。
ハンドルはバイクを操作する上でとりわけ重要なパーツ。ここをカスタムするということは、バイクの操作性に大きな変化を与えることにつながる。なぜならばバイクが走行する際、ライダーを支えているのは[ハンドル][シート][ステップ]の3ヶ所で、このうちの1ヶ所を換えるからには当然全体のバランスにも影響を及ぼす(下記画像およびキャプションを参照)。比較的容易にカスタムできるポイントである反面、走行バランスの中でも大きな役割を担っていることを知っておきたい。
そのハンドル交換における基本的な違いをオサライしよう。
・ハンドルバーの幅や高さの変更
・ハンドルの形状によるバランスの変更
・ハンドルを含む荷重ポイントとライディングフォームの変更
上記の3点が、ハンドルカスタムを行った際の変更点だ。例えばスポーツスターの場合、883ccモデルと1200ccモデルによってハンドルの幅や形状は違っており、さらに同排気量モデル内でもかなり異なっている。メーカーが取り付けているノーマルハンドルバーというのは、車両の排気量やパワー、走行状態を計算した上で設定されている。そこにさらに、オーナーの体型や体重といった追加要素が加味されるので、交換カスタムをすればその変化は顕著だろう。ハーレーの場合、カスタムの多様性からハンドルバーの種類も豊富なため、乗り味は千差万別。それらすべてをデータ化するのは不可能なわけで、そこで重要になってくるのは「自分がどんなハーレーライフを楽しみたいのか」という点をイメージすること。ハンドルから未来のフォルムを固めていくのもカスタムの面白さだ。
現在までのハーレーに採用されているホイールの形状は、「スポークホイール」、「キャストホイール」、「ディッシュホイール」の3種類に分けられます。
前述したとおり、自身のバイクライフのイメージ次第で選ぶハンドルバーが決まってくると言える。例えばスポーティなフォルムのバイクにエイプバーを取り付けてしまうと、当然バランスは大きく損なわれてしまう。もちろん「ドラッグスタイルだからドラッグバーに」という定番スタイルからあえて外してみる、といったカスタムへの挑戦も面白いが、これは経験を要すると言える。そこで重要となるのが、“どんなタイプのハンドルがあるのか”ということ。以下に大きくタイプ別に分けてみた。
ハンドル交換時にセットで考えておかなければいけないのがライザーだ。ライザー一体型バーには無縁の話だが、ここのアイテム選びでもバランスを調整することができる。またハンドル周りのルックスにも影響を及ぼすので、重視しなければいけないポイントだ。
くどいようだが、カスタムの第一歩であり重要な役割を担うハンドル交換カスタムにおける重要なポイントは、“完成形をイメージすること”にほかならない。ハンドルを換える = ビジュアルと機能面に影響を及ぼす、すなわち両立が難しい2つの要素を成立させなければならなく、そこに求められるのはカスタムセンスであり、理想の完成形ということになる。
ハーレーダビッドソンというバイクゆえ、どうしてもビジュアル面を重視してしまうところだが、“走って楽しい”というバイク本来の遊び方を損なってしまっては本末転倒。ある意味カスタムの醍醐味であるわけだが、避けては通れないカスタムの世界を味わう旅へ出てみてほしい。