2016年のレイトモデルとして登場したスポーツスターのカフェレーサーモデル、XL1200CXロードスター。1977年式XLCR以来となる、ファクトリーメイドのカフェレーサーだ。フロントサスペンションには当時新開発されたプレミアムライド・カートリッジ式43mm倒立フォークを採用。リアにはプリロード調整付き専用プレミアムライド・エマルジョンショックを装備し、サスペンショントラベル量は、フロント4.5インチ/リア3.2インチと、スポーツスター史上最大となっている。ローライズハンドルバーとミッドコントロールが作り出すポジションは非常にアグレッシブなものだ。
そんなロードスターをベースにドイツのパーツサプライヤーであるサンダーバイクが手がけたROADRACER TB-RR1は、「リアルレーサーの遺伝子」をコンセプトに製作されている。まずエクステリアで目を惹かれるのは、カフェレーサーの定番とも言えるフロントカウルであろう。シャープかつコンパクトなオリジナルのフロントフェアリングはスクリーンを備え、その整流効果とともに、このマシンのデザイン的なアイコンにもなっている。ボルトオンで脱着可能なシートカウル&ソロシートが作り出すリアエンドのラインもカフェレーサー然としたものだ。
ポジションにも手が加えられている。純正P&Aのクリップオンハンドル&バックステップを採用し、さらに攻撃的なポジションを形成。サスペンション、ブレーキ、ホイールなどの足まわりに関しては高いパフォーマンスを誇るストックを流用している。イタリアのZARD製マフラーの存在感も大きい。まるで蛇がとぐろを巻いているような複雑なエキパイ&ショートサイレンサーが、否が応でもレーシーな気分を盛り上げてくれる。カラーリングはソリッドなマットブラックとし、あえてトーンを落として都会的なイメージに仕上げられている。ベースモデルのロードスターが待つカフェレーサーのマインドを、さらに濃密なものへと高められていると言える。