余計なものが削ぎ落とされた
チョッパー感際立つスポーツスター
「基本的に引き算です、僕のカスタムは。いらないものを削ぎ落とした結果、今のスタイルになりました」
このスポーツスターのオーナーであり、スポーツスターのミーティングイベント「TOKYO NIGHT SPORTSTER MEETING」を主催するひとりであるshin_883さんは、自身の愛機のコンセプトをそう語る。
1997年式を新車で購入したこともあり、当時イーストアーバンカスタムサイクルズやテイストコンセプトモーターサイクルが手がけたダートトラックスタイルがイメージとして残るオーナー。チョッパーライクでありながら、土の匂いが漂うパーツチョイスはこのXLH883の時代背景ともマッチする。
少しずつカスタムを進めていたのが、今の姿へと大きく変貌を遂げたのは3年ほど前のこと。S&S製エンジンに積み換える際に思い切ってあらゆるカスタムメニューを取り入れた。最近はワインディングに行く機会が増えたこともあり、サスペンションやブレーキ周りなどライディングに直結するパフォーマンスカスタムも導入しているという。
「自分が気持ち良く乗れること、それが一番です」
“走る、曲がる、止まる”をしっかり発揮する仕上がりでありつつ、オーナーの美学がフォルムに表れているXLH883。まだ着手の余地はあるとのことで、今後どう進化していくのか楽しみな一台だ。
カスタムの詳細をチェック!
アーリーXLCHバイザー
アイアンと呼ばれるショベルスポーツに見られるバイザーを復刻、リジッドスポーツのフロントマスクの印象をビンテージ感溢れるものに一変する。
イーストアーバン Zバーナロウ
ショベルスポーツのライザーに交換、Zバーをマウントした往年のフリスコスタイルを彷彿させるコックピット。ステムボルトの真上にMMBタコメーターがすっぽり収まる。マスターシリンダーはグリメカ。
ワンオフ アルミフューエルタンク
容量が4.8リットルというスタイリッシュなスポーツスタータンクを作成。XLCHに描かれていたSportsterのグラフィックフォントを再現し、クラシカルな雰囲気を高めている。
MMBスピードメーター
汎用品として多くのライダーに愛用されるコンパクトなスピードメーターをエンジン左側にマウント。ランプ系も合わせて移設し、ここでまとめて確認する。
AN-BU ダブルシート
ハーレー用カスタムパーツを手がけるAN-BUが試作した一品限りのシートを購入。コックピットからリアエンドにかけて描くシルエットのキーともなるアイテムだ。
マンクスマンガレージ スパルトテールランプ
自身でカッティングしたノーマルフェンダーにマウント。似合う車体を選ぶそのデザインがフィットしているのもカスタムコンセプトが明確だからこそ。
S&S 1200ccエボリューションエンジン
本来のエンジンをオーバーホールするのではなく、ハーレーエンジンを生み出す本家が自信を持って送り出すエンジンに積み替えた。クラッチも換え、さらにハイカムも取り入れた本モデルのキモとも言える心臓だ。
Jagg製 オイルクーラー
「エンジンを積み替えた際に、どうせなら取り入れようと思って」という、新品エンジンを長持ちさせる逸品を装着。これであと20年は持つ?
ブラットスタイル サイドウェイ ツインメガホンマフラー
今や品切れになるほどの人気となったパフォーマンスマフラー。性能はもちろん、クローム仕様のニューエンジンに見事マッチしている。
ハイパープロ スポーツスター用サスペンション
最近の走り系カスタムの象徴的メニューがこちら。フロントと合わせてフットワークの向上を目指した。これに伴い、次なるカスタムは制動力を高めるブレーキに決まったという。