「重視したのは”オートバイとしてのバランス”。ウチの代表作と言っていい仕上がりの一台です」
とは、トランプ代表の長岡 守氏。グリーンとも形容されそうな艶っぽいターコイズブルーのスポーツスター、「1970年代のマッスルカー風に」というコンセプトのもと、70’sなHARLEY-DAVIDSONロゴと黒いピンストライプで縁取られた艶消しブラックのグラフィックでまとめられている。
出自はキャブレター仕様のパパサンだが、ボアアップキットを投入して排気量1,250cc化。イグニッションオンの際のサウンドには凶暴さすら感じる。
ディテール解説を見ていただければ分かるが、カスタムパーツの約9割がトランプのオリジナルだ。大手パーツメーカーならいざ知らず、ラバーマウント スポーツスターをここまで仕上げるためのボルトオンパーツを大阪のいちショップが取り揃えている事実に驚きを隠せない。
2018年にトランプがリリースした前後サスペンションシステムキットの投入は当然として、ホイールはフロント19 / リア18インチ化、さらにフロントブレーキもダブル化してフットワークを強化。フロントフォークを39インチのままとしているのは、
「スポーツスターらしいマスクであること、またオリジナルのカートリッジ式サスペンションでも十分な性能が発揮できることから」
とのこと。
「そのまま正規ディーラーに展示されていそうな完成度を目指しました。ベンツのAMG、BMWのMスポーツのような上位モデルというイメージですね。スポーツスターにもこんなモデルが並んでいたらなぁ、という感じかな」
“オートバイとしてのバランスの良い一台”を追求してきたトランプだからこそ生み出せた集大成とも言えるスポーツスター。ラバーマウントカスタムのひとつの解答がここにある。