近年のカスタムブームで主流となっている「カフェレーサー」と「スクランブラー」という2つのスタイル。ハーレーに限らず、さまざまなメーカーモデルがそのスタイルを踏襲し、世界にドロップしているのは周知の通りだ。
当然その波はスポーツスターの世界にもおよんでおり、カフェレーサーカスタムのスポーツスターが続々と登場している。稀代の戦闘的スポーツスター・ロードスターというモデルの登場も、そうした世の流れにほかならない。
キジマが「カフェレーサー」をテーマにパーツ開発を兼ねたデモバイクを手がけたのもそうした傾向からだが、驚くべきはベースモデルに選んだのが”ザ・ボバー”フォーティーエイトであったことだ。
「人気モデルであることはもちろんですが、フォーティーエイトというバイクをどこまで楽しく乗れるカフェレーサーにできるか、ということに挑戦したかったんです」
本モデルの開発責任者であるキジマ外車部の酒井克法さんが語るとおり、位置の高いミッドコントロールステップと専用セパレートハンドルというカフェレーサーとしてのマナーを踏襲し、オリジナルのシートカウルでレーサーテイストを演出。極め付けは、フロントマスクがぐっと前に突き出されたロケットカウルだ。
ハーレーでカフェレーサーと言えば、70年代の名車 XLCR が思い浮かぶことだろう。このキジマのモデルはそのスタイルとは異なり、どちらかと言えばブリティッシュテイストを源流とする日本流カフェレーサーと言えるもの。それをボルトオンパーツとして手がけるところは、さすがは日本を代表するパーツメーカーと言ったところか。
前後カウルとも FRP で手がけられていることから、マシンそのものがグッと軽量化されているのも大きなメリットと言えよう。セパレートハンドル以外ならラバーマウント スポーツスターに取り付けられるパーツ群、カフェスタイルへのカスタムを検討しているオーナーは一度検討してみてはいかがだろうか。