倒立フロントフォークに18インチリアホイール、ガンファイターシートにコンチバーと、ハーレー流カフェレーサーとしてデビューをはたした“スポーツするハーレー”ロードスター。フォーティーエイトらと同じ排気量1,201ccエンジンながら、かのXR1200を上回るセッティングになっているなど、高いロードスポーツ性能を備えたバイクとして生み出された。
そんなロードスターをカスタムするとなると、当然ながらパフォーマンスアップという方向に定められる。「これこそ我々の得意ジャンルだ」とカスタムに乗り出したのが、かつてストリート750カスタムプロジェクトでレーサーマシンを手がけたハーレーダビッドソン新宿のメカニック 神部涼平氏だ。パッと見ただけではあまり変わった印象がないが、そのフットワークはノーマルとは比べものにならないほどパワーアップしている。
そのままワインディングを攻めても十分ライディングが楽しめるロードスターだが、垂れ下がったハンドルバーやバンク時にすぐ擦ってしまうミッドコントロールと、“もう一歩”が求められるのもまた事実。この新宿版ロードスターは、ニュートラルなミリ仕様のハンドルバーにバックステップキットを備え、より攻撃的なフォルムを手に入れている。また、やや見づらいメーターをライダー向けに起こすという気のきいたカスタムも見逃せない。
「タンクやシートはあえてそのままにしました。この一台は、あくまでハーレーダビッドソン新宿がお客様に提案する“ロードスターカスタムの第一歩”。ここからオーナー様好みの味付けをして行って欲しいと思います」
と語る神部さん。ロードスターが目指す世界に一歩踏み込んだ新宿版ロードスター。ノーマル時よりも一層カスタムイメージが膨らんでこようというものだ。