VIRGIN HARLEY |  1994年式 FLSTFカスタム紹介

1994年式 FLSTF

  • 掲載日/ 2016年02月24日【カスタム紹介】
  • 写真・文/田中 宏亮
1994年式 ソフテイル FLSTFのカスタム画像

バランスこそがすべて
シウンの哲学に則った一台

「まず、どんなバイクにしたいのかをイメージする。そのイメージに合わせてバランスを整え、美しいバイクに仕上げる。ディテールは、そのバランスを取るための要素のひとつ。だから、取り入れているパーツそのものへの思い入れはない」

神戸のシウンクラフトワークス代表の松村友章氏によるカスタムハーレーは、旧車から最新モデルと車種がどう変わろうとも、この哲学に則って生み出される。確かにハイエンドなカスタムパーツへの憧れは誰もが強く持ってしまうものだが、取り付けた際にそれだけが浮いて見えると、カスタムバイクとしての完成度は著しく下がってしまう。言うなれば”猫に小判”なのだ。

ほぼノーマルの状態で入庫されたファットボーイを、ボバーへとカスタム。松村氏が思い描く理想のボバースタイルに向けて細部を整え、無駄のないアメリカの匂いが漂う一台にまとめられた。

キモとなるのは、足まわりだろう。本来前後16インチのディッシュホイールが備わっているファットボーイだが、これをフロント19/リア16のスポークホイールに変更。タイヤはフロントがDURO、リアがAVON マーク IIという組み合わせに。

「ビンテージスタイルのタイヤはいろいろありますが、今回のボバーについてはこのタイヤしかなかった。タイヤハイトや太さでまったく違うスタイルに変わってしまいますからね。ここが決まったからこそ、思い描いたとおりのボバーにできました」

「パーツは選択肢のひとつ」という変わらぬスタンスゆえ、ディテールを語ることに対しては雄弁ではない松村氏。しかし、つい目が行きがちなディテールから目を離し、改めて全体像に目をやると、惚れ惚れするほど美しい完成度であることに気づかされる。そんな完成されたスタイルから生まれる風合いに、いかに”ハーレーらしさ”を漂わせられるか。シウンのファクトリーから生み出されるハーレーからは、そんな説明不要の雰囲気がにじみ出ている。

1994年式 ソフテイル FLSTFのカスタム画像

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1994年式 ソフテイル FLSTFのカスタム画像

汎用型ビッグヘッドライト

ライトのサイズ感もそうだが、「重要なのはマウント位置」と松村氏。この位置次第でスタイルが台無しになってしまうことも。ここではステーを自作して絶妙の高さでマウントしている。
1994年式 ソフテイル FLSTFのカスタム画像

汎用型プルバックハンドル

「この形がしっくりきた」という銘柄不明のハンドルバー。グリメカ製マスターシリンダーとコンパクトなスイッチボックスで無駄のないシルエットを作り出した。
1994年式 ソフテイル FLSTFのカスタム画像

ショベルモデルのタンク加工

ショベルFLモデルのタンクをベースに、真ん中を詰めてタンク幅を狭くし、さらに高さも抑えられた仕様となっている。ボバースタイルにふさわしいクラシカルなエンブレムも雰囲気だ。
1994年式 ソフテイル FLSTFのカスタム画像

BULL ORIGINAL製サドルシートを加工装着

そのままマウントすると浮いてしまい、真横から見たときのシルエットが美しくないことから、よりロースタイルになるよう加工マウント。シンプルなパーツも、取り付け方次第で見方が変わる。
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Vツイン製リアフェンダー

シート同様、車体のシルエットに合わせて加工装着されている。簡単なように見えるが、数多くのカスタムハーレーを手がけてきたショップだからこその絶妙なクリアランスが見どころなのだ。
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前後スポークホイール&クラシックスタイルタイヤ

「タイヤを決めないと、シルエットが描けない」というほどシウンでもっとも重視されているタイヤ&ホイール選び。ブラックアウトされた足まわりが50’sレーサースタイルによく似合う。
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