今年のデビュー以来、HDJ正規ディーラー各店でさまざまなカスタムスタイルが取り入れられているストリート750。これまでにない真新しいモデルゆえ、培ってきたカスタムのノウハウがなかなか踏襲できず苦戦するディーラーも少なくない。そんななか、ロード用オフロードスタイル“モタード”へとカスタムしようという驚きのプロジェクトを立ち上げたディーラーがいた。東京・大田区のハーレーダビッドソン陸友だ。
「先入観は抜きにして、ウチのボスと『どんなハーレーがあったら欲しい?』というお題を立て、アドベンチャーバイクを作ろう、ってなったんです。ストリート750だから、ナナハンモタードだな、と」
H-D陸友サービスマネージャーの芦田剛史氏をプロジェクトリーダーとした本企画、約半年の歳月をかけて完成へとこぎ着けた。エンジンやホイール、スイングアームなどはそのままに、本来の姿からは想像もできないオフロードスタイルへと変貌を遂げたのだ。
鉄板から作り上げたというワンオフのフューエルタンクやシートカウルの造形に注目が集まるが、このスタイルを支えるさりげなくも重要なポイントはリアショックだろう。トライアンフ・スラクストン用だというオーリンズ製S36Eの380mmというロング仕様をボルトオン装着し、リアを一機に持ち上げた。そこにオフロード用シートを置いてイメージを膨らませ、ディテールを象っていったという。
実はこの一台、まだ完全な形ではないという。芦田氏曰く「車両の重心が上がったため、リアはともかく、その重量を支えるほどの剛性を持たないフロントフォークを換えなければ。オーリンズの倒立フォークにしようかどうか、ただいま検討中です」とのことだ。
本気で走れるナナハンモタードが完成するまで、もう少し時間がかかりそうだが、今からその日が待ち遠しい。