オーナーの好みに合わせた仕様へと変えていくことこそがカスタムの真髄であり、そのベースモデルとしてスポーツスターほど最適なモデルはない。それがラバーマウントスポーツよりコンパクトなリジッドスポーツとなると、可能性は一層広がりを見せる。
ボールドアイデアのビルダー留奥和也氏が手がけるスポーツスターは、決して派手さはないが、「ううむ」と唸らせる玄人好みのポイントを押さえたメニューと完成度が見どころだ。リジッドスポーツそのものからさらに無駄を削ぎ落としつつも、シルエットの美しさは損ねない。職人技が光る造形美こそ、ボールドアイデアの真骨頂なのだ。
真横からのスタイリングカットを見ていただければ、その意味がお分かりいただけるだろう。車体はしっかりと水平に保たれていながら、ヘッドライトからリアエンドへと続くラインに一切の無駄はない。あえてルーカステールを採用しつつも、違和感がないフィニッシュとなっているところはさすがの一言。それでいて、リアホイールをディッシュとするあたりにカスタムモデルとしての主張も伺える心憎い一台だ。
クラシカルでカッコいいスポーツスターが欲しい、でも何をどうやればいいのか。関西圏でそんな想いをお持ちの方がいたら、ぜひボールドアイデアに足を運んでみてほしい。スポーツスターカスタムのベーシックなところを教えてくれることだろう。