10インチにおよぶストレートライザー&ハンドルバー、個性的なビキニカウル、強化された足まわり、スポーツバイクとしての走行性能アップと、今なおアメリカで根強い人気を誇るカスタムスタイル「クラブスタイル」の姿そのものだ。アメリカではダイナモデルがベースに用いられるのだが、スポーツスターでチャレンジしても十分スタイリッシュに決まっている。
驚くべきは、このベースモデルがフォーティーエイトだということだ。どこを見ても、その面影を感じ取ることはできない。ホイールチェンジ(トリプルクランプまで)はもちろん、エンジンのカラーまで変わってしまっている。聞くところによるとこのバイクの前オーナーが、とあるアパレルショップで見かけたスタイルにひと目惚れし、勢いとともにこのスタイルまでカスタマイズしてしまったのだそう。
「“他とは違うスタイルにしたい、決してフォーティーエイトであることに縛られない”というオーナーの要望を受けて、ここまでカスタムしました。フォーティーエイトのイメージを崩すことに対する抵抗ってあるんですが、この一台はそんな縛りから解放してくれたようで、カスタムを進めていて楽しかったです」
とは、ハーレーダビッドソン知立の山田晃久さん。真っ黒なボディに赤いロッカーカバーを備えてアクセントとしているところも、なかなか憎い演出だ。
日本の風景には似つかわしくない、アメリカのダーティなスタイルでまとめられたスポーツスター。この一台、やはりハイウェイを疾走してこそその真価を発揮するのだろう。