「とにかく、よく走るんです。以前はバイクに乗るとも思わなかったし、こんなにハーレーを楽しむなんて……という印象です。とにかく、とことん走り込める一台に仕上げようって思いました」
そう笑顔で話すのは、テイストの主 河内山智氏のご子息であるビルダー友郎さん。この真っ黒な FXDX のオーナーである28歳の若者 豪さんは友郎さんの友人で、免許取得を機にハーレーの世界にすっかりハマってしまったという。同世代同士で話し込み、FXDX をベースに「とにかく真っ黒でよく走れる仕様(カスタム)」というプランに決定。
長距離ツーリングも頻繁に楽しむオーナーなので、座面の広いノーマルシートとノーマルタンクはそのままとし、前後サスペンションのグレードアップや、BURN! H-D Sports奥川 潔氏と煮詰めたベストチューンを施した。見た目重視のカスタムとは違い、あらゆる機能を損なうことなくバランスよくまとめたスポーティな一台とされる。
彼の“走り好き”は、場所も道も選ばない。仙台でのドラッグレース後、「せっかくだからツーリングして帰りたい」と、ひとり荷物を背負って東北を巡りながら関東まで自走で帰ったのだという。「本当に好きで好きで仕方ないんです(笑)。ハーレーで走るのがこんなに楽しいなんて」と、照れながらも愛車への溢れんばかりの愛情を隠そうともしない。
「この一台との出会いで、人生が変わりました。いつも、どこへ走りに行こうかと考えてばかりいます(笑)」
運命の出会いをはたした FXDX は、豪さんのもとでずっと大事にされていくことだろう。