目指すべきスタイルが明確で、熟考されたパーツチョイスと車両本来の個性がバランスよく組み合わさると、滅多に見かけることがないオリジナリティあふれる一台が仕上がる好例と言えるだろう。
パっと見たとき「英車?」と思われた方も少なくないはず。オーナーの松本さんも「モチーフはトライアンフ。W1や英車が持つ雰囲気を取り入れたかった」と言うとおり、そこかしこに“スポーツスターらしからぬ”パーツが配され、ヴィンテージ感をかもし出している。
フロントフェンダーの風切りにフォークブーツ、大きなヘッドライト、そしてW1に付いていたという純正シートと、英車の特徴を表すパーツが組み込まれている。そこに40年代の名車 EL のネームプレートや EAST URBAN Custom Cycles 製 CH スタイルマフラー、カバー付きテールランプ、FAOM製 スポーツスター用シーソーペダルと、ヴィンテージ・ハーレーならではのパーツも併せ持っていながら、全体のまとまりに違和感はない。
ある意味、あらゆる要素を取り入れられるスポーツスターだからこそとも言えるし、明確なコンセプトを確立したオーナーゆえにこの一台が誕生したのだろう。