三寒四温、一雨ごとに暖かくなる。癒し系より刺激を求める傾向が強い自分だけど、この季節は緩く走りたいともうコトも多い。暖かな日差しの中、海でも見ながらのんびり走るのが良い。そんな気分を味わうために数百km走って知らない街まで行く、なんて旅がいい。最初から最後まで緩い旅では、感動も湧いて来ないものだ。早朝に出れば、夕方までにはかなりの距離を走れるだろう。例えば日本酒の酒造がある街に泊まって蔵出しの酒と美味い肴を味わう、なんてコトができれば理想的だ。
翌日は、目的通り陽の光をたっぷり浴びながら海に沿ってのんびり走る。フェリーで小さな島に渡ったりするのも旅をしている気分が増してくる。2泊めはキャンプがいいだろう。テントを張って焚火をしながら波の音を肴に、前の晩に買った酒を楽しむ。ここまでできれば完璧。
最終日の朝は早起き。キャンプサイトでコーヒーでも飲みながらのんびりして、午前中のうちに撤収。少しだけ陽光と海風を浴びて、そこからは一気に帰路。カラダがちょっと冷えたぐらいに帰り着き、風呂で温まって旅の余韻を楽しみながらビールで乾杯。“旅”と言うにはコンパクトだけど、春を楽しむ完璧な三日間のシナリオだ。
ツーリングマガジン アウトライダー など二輪誌を中心に雑誌、広告等で活躍中のカメラマン。愛車は 2010年式 FLTRX ロードグライドカスタム。日本の古典芸能やアメリカインディアン等の文化から多大なる影響を受ける。バイクによる旅の写真や水中写真をライフワークとし、日本やアメリカ、ルート66などの風景を自らバイクで走って撮影するスタイル。「職業=旅人なんて書きたいけど、そこまで旅できていない」という。なぜか誌面に顔を出していること多し。