旅をしていると、どうしても夕景を多く撮ってしまう。特にアメリカ西部を旅すると、シャッターを切らずにはいられないような夕陽に遭遇することが多い。乾燥した空気と紫外線の強さの影響なのか、息を飲んでしまうような景色の中に沈んで行く太陽、その後に刻々と変わってゆく空の色。何度目にしても飽きることはなく、同じ場所であっても同じ景色であることはない。そんな夕景を撮りたいから、自分の目で見たいから旅に出ているのかもしれない。それに比べて朝陽を撮ることは稀だ。単純に僕が早起きをすることが得意ではないからなのだが。しかしこの場所だけは別である。ビュートの間から昇る太陽を見ないことには、モニュメントバレーに来たという実感が湧かないくらいだ。
2013 年初のコラムと言うことで、年賀状的に日の出の写真を選んでみた。今年もハーレーで日本の北から南まで、そして世界を走りたいと思う。抱負というより願望かもしれないが。
それでは皆さん、旅の空の下でお会いできることを祈って。本年も宜しくお願いします。
ツーリングマガジン アウトライダー など二輪誌を中心に雑誌、広告等で活躍中のカメラマン。愛車は 2010年式 FLTRX ロードグライドカスタム。日本の古典芸能やアメリカインディアン等の文化から多大なる影響を受ける。バイクによる旅の写真や水中写真をライフワークとし、日本やアメリカ、ルート66などの風景を自らバイクで走って撮影するスタイル。「職業=旅人なんて書きたいけど、そこまで旅できていない」という。なぜか誌面に顔を出していること多し。