VIRGIN HARLEY |  第16回 スイッチバックを見て、FXRTの復活を願うツーリング・ゼミナール 青木 タカオ

第16回 スイッチバックを見て、FXRTの復活を願う

  • 掲載日/ 2012年04月10日【ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ】
  • 執筆/フリーライター 青木 タカオ

今年2012年は、雑誌版バージンハーレー (偶数月) に発売される予定でして、4月からは発売日が14日となります。つまり、次号のバージンハーレー Vol.14は4月14日に発売、宜しくどうぞでございます。というわけで、これを書いているいま、締め切り真っ最中となっていましてね。パソコンの前にずっとヘバリついているわけです。

青木タカオさんの写真

2012モデルからラインナップに加わったニューフェイス、FLD スイッチバック。ウインドシールドやハードサドルバッグを備えるほか、フットボードやフルカバードショックなど、その装備は車名が示すとおりFLそのもの。

Vol.14 の巻頭特集では、2012年注目のモデルとして登場したばかりの XL1200V Seventy-Two、FLS ソフテイルスリム、そして FLD スイッチバック を取り上げるのですが、この3台、スポーツスター、ソフテイル、ダイナとそれぞれにフレームとエンジンが異なりまして、乗り比べるとタイヘン面白いのでございます。

FLD スイッチバックに初めて乗ったのは 2011 年の夏頃で、ハーレーダビッドソンジャパンのメディア向け試乗会でのことでした。ここでボクはFLDの実車を目の当たりにし、試乗もさせていただいたのですが、その数日後にはバージンハーレーをはじめ、他の誌面でも紹介記事やインプレ記事を駄文ながら書かせていただきました。ボンヤリとした記憶では、そこでボクは 「 FX 系をルーツにするダイナファミリーでありながら FL という車名がつけられ、さらに“走りのダイナ”であるのにツーリングモデルが出たぞ」 みたいなことを書いたはず。でも、たしかにダイナモデルが “FL” を名乗ったことは初であり大きなトピックスでありましたが、ダイナをツーリング仕様に仕立てたモデルがこれまでなかったというニュアンスは間違いです。

青木タカオさんの写真

サドルバッグやウインドシールドは工具なしで脱着が可能なデタッチャブル方式。装備品を脱ぎ捨てたストリップにも、すぐに変身できる。

ここ数年はたしかにありませんでしたが、歴史をさかのぼると、まず 2001 年に FXDXT ダイナ・スーパーグライド・Tスポーツ っていう、角度調整可能なウインドシールドをセットしたビキニカウルやナイロン製のサドルバッグを標準装備したモデルがありました。当時、ネコ・パブリッシングから 「ツインカム88ブック」 というムックが出版されたのですが、HOT BIKE JAPAN 編集長の池田 伸さんのもとボクもこれに携わり、FXDXT が紹介されているページを見て、「ダイナなのにツーリング仕様?」ってスイッチバックが出たときと同じことを 10 年以上前にも思ったのでした。あっ、そうそう、エボリューション時代にはFXRT スポーツグライドだってありました。

青木タカオさんの写真

【左】ウインドスクリーンの角度をダイヤルによって調整可能なハンドルマウントのフェアリング、脱着可能で容量を拡大することもできるバリスティックナイロン製サドルバッグを装備する FXDXT ダイナ・スーパーグライド・Tスポーツ。【右】こういう雰囲気、好きです。FXRT。昔はなんじゃこのカッコ悪さって思っていたんですが、どういうわけかストライクゾーンに。ロードグライドにも通ずるものがあるけど、不細工なんだけどカッコイイ。復活しないかな……。

そう考えると、今回出た FLD スイッチバックに続き、FX 系のツーリング仕様が登場しても面白いなって期待が膨らみます。どういうわけか、でっかくて野暮ったいフェアリングが好きなボクとしては、FXDXT のリバイバルもいいけど、FXRT の復活っていうのがいいな。

プロフィール
フリーライター
青木 タカオ

バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。

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