VIRGIN HARLEY |  第4回 命を守るブレーキパッド確認メカニック芦田のメンテナンス講座

第4回 命を守るブレーキパッド確認

  • 掲載日/ 2009年09月16日【メカニック芦田のメンテナンス講座】
  • 執筆/ハーレーダビッドソンシティ中野店 メカニック 芦田 剛史

最近ナイトツーリングに興味津々で、走りたいなぁと思いつつも、多忙すぎて数ヶ月延期し続けているメカニック芦田です。ついに9月に入り、思えば今年は一度もツーリングに行けていません。しかし! そんな憂鬱も吹き飛ばし! 今日も工具を握り締めます! さぁ第4回メンテナンスコラム、いってみましょう!

今回のクランケ:2003年式 FXSTD

ハーレーメンテナンス講座の画像

症状:ブレーキパッドが残りわずか…

今回は初歩的な部分に立ち戻り、残りわずかになったブレーキパッド交換の手順をご紹介します。車検点検整備にて入庫したこの車両、ブレーキパッドも当然分解整備。意外と気がつかないこの重要部品にはこまめに気を配りたいところです。

陥りやすいポイント:目視で残量点検、奥方の顔色を見るように見てください!

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普段乗っていてなかなかじっくり見ることの少ないブレーキパッド残量、タイヤ空気圧などはマメに見ることがあっても、おろそかになりがちな部分です。点検整備時には無条件で点検項目に入ってくる場所で、この残量が尽きたときにはオソロシイ結末を迎えること請け合いです。今回ご紹介する点検ポイント、ぜひとも愛車チェックに生かしてください。

補修手順を見てみよう!

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【01】恋とブレーキパッドは見つめ合うことから始まる

まずは目視で残量確認するところから始まります。四輪車などは外観チェックできないため、検知音などで知らせてくれるのですが、ハーレーの場合はやはり外側から覗いて確認せねばなりません。要チェック!
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【02】ブレーキパッド取り外し!

パッドを固定しているパッドピンを抜き取ります。12ポイントの特殊なボルトヘッドを使っているので、工具を使用する際は要注意。特にリアは手が入り難いので、手首のスナップと的確な工具チョイスが重要です。
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【03】取り外したパッドを観察

交換するかしないか最も悩ませてくれるブレーキパッド。次の点検までにどの程度減ってしまうか、新品と比べてよく考慮します。紫色に焼けている場合、前後どちらかにブレーキングが集中しているかも!
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【04】脅威の普及率、クリーナー!

現在多くの人に広まっているブレーキパーツクリーナー、昔はそんなに出回っていなかった気がするのは私だけでしょうか? パーツクリーナーが、清掃に大活躍するのです。これで大半のダストを除去できます。
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【05】赤ん坊とブレーキはよく泣きますよね…

各部潤滑と鳴き止めのために、ブレーキグリスを塗布します。モリブデン系を塗ることもあるようですが、耐熱温度面と程よい流動性に優れているブレーキ専用シリコン性グリスを使用した方がいいでしょう。
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【06】出る杭…ではなく、出たピストンは戻します

ピストンの摩耗に追従して突き出してしまったピストンを、新品の厚み分戻してやります。この作業を行うときは、リザーブタンク内のフル―ドのレベルを必ずチェックするようにしてください。
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【07】満を持して組み付けです

命を預ける大事な大事なこの部品、絶対に余所見をしてはいけません! 確実に、間違いなく組み上げてください。どれほど奥方に呼ばれても無視です(すいません)。ここ一番、集中しましょう!

防ぐためのメンテのツボ

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ブレーキ鳴きを止めるためには…

ブレーキパッドからのブレーキ鳴きというのは、メカニックの永遠のライバルです。鳴き止め措置としてはさまざまな方法がありまして、パッド自体の材質変更やチャンファーカット、スリットカット、スクイークシムなど、あらゆる方法があるのですが、一番重要なのはレコード針(パッド)とレコード盤(ローター)から止め作業に入ることが近道です。その後に発生してしまった音(振動)を制御するためには、アンプ(ハブ)やスピーカー(ホイール)まで手を入れることになります。しかしながらこの現象、決して故障ではないという点が言い得て妙かもしれませんね。

プロフィール
H-Dシティ中野 メカニック 芦田 剛史

広畑日産自動車・H-D事業部で経験を積み、25歳のときに「アメリカのディーラーに勤めたい」と単身渡米。アリゾナ、ラスベガスと約2年間におよぶディーラー勤務を経て帰国。現在はH-Dシティ中野店でメカニック主任として活躍中。V-RODでドラッグレースに興じるなど、幅広いハーレーライフの楽しみ方を知っている。

取材協力
住所/東京都中野区野方4-42-9
営業/10:00~20:00
定休/水曜日
電話/03-6909-1180

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