機械と電気と聞いて拒否反応を示す方は多いのではないでしょうか。今回はそのような内容がメインとなる学生も苦手な内容です。
二輪、四輪にかかわらずエンジンの電子化が進んでいて、ハーレーダビッドソンの各モデルも例外でなく、2007年モデルからは全シリーズ EFI (電子制御燃料噴射装置)化されています。この授業では、その EFI の診断整備を中心に授業を行っています。
デジテク接続中。
EFI の構成部品は主にセンサー、コントロール・ユニット、アクチュエータに分類されていて、人間に例えるとセンサーが目などの五感、コントロール・ユニットが脳、アクチュエータは手や足などに当たります。センサーは主にエンジンの回転数や温度、吸入空気量をモニターし、コントロールがその情報を基に演算・指令を出し、アクチュエータが噴射や点火をする――という一連の流れになっています。もし異常がある場合は人間だと転んだりするわけで、そうすると怪我をして痛いですよね、EFI も人間と同じく不具合をコントロール・ユニットが検出するとエンジンチェックランプを点灯して運転者に不具合があることを知らせてくれます。人間ならお医者さん、ハーレーダビッドソンならメカニックの登場となります。
今回の授業では、教員がさまざまな EFI の電気系故障を仕込んでおいて修理させるというプログラムになっています。これだけ聞くと大変そうですが、ハーレーダビッドソンにはデジタルテクニシャン II という故障診断器があり、大まかな場所の特定ができるようになっています。あとはマルチテスター、テストハーネスキット、ブレークアウトボックスなどハーレー専用工具を駆使し、原因を突き止めるという流れになっています。
故障診断中。
最初は悪戦苦闘していますが、一連の流れのコツをつかんでくると驚くほど正確に早く原因を特定できるようになります。このようなハーレーダビッドソンの高度な授業を行えるのも専科の特長です。
以上、ガソリンエンジンの診断整備でした。