今回の実習はエンジン以外の点検整備です。ハーレーの特徴といえば、大排気量空冷 OHV・Vツインエンジンがもたらす独特の鼓動感と外観。そのエンジンを支えている車体(サスペンション、タイヤ、ブレーキなど)の点検整備です。
ハーレーはアメリカ製である、ということは皆さんご存知だと思いますが、実は外国製の部品が多数使われているのです。意外ではないですか? そしてその外国製というのは、わが日本の製品なのです(びっくり!)。先ほどあげたサスペンション、タイヤ、ブレーキなど、使われている箇所は多数存在します。
SHOWA って見えていますか?
最初はブレーキ(ディスク、ローター)。有名な企業で、まずは「知らない」という方はいないと思います。オーラルケア、ヘアケア・スキンケアと、日常に御世話になる製品を手掛けている企業です。……正解は「サンスター」。歯磨き粉やシャンプーなど、おなじみの製品を作っている会社ですね。
次はサスペンション。これを製造している会社は「ショーワ」です。二輪や四輪のサスペンションのメーカーです。サスペンションを分解すると、ボルトのサイズがミリ単位になっています。アメリカ製の部品はインチ単位なので、二種類のサイズが混在していることになります。当然工具も二種類必要なため、学生たちは混乱することになります。
HARLEY って見えていますか?
タイヤはダンロップ。これはアメリカで生産されています。驚くことにタイヤのサイドウォールに『ハーレーダビッドソン』と印字が。世界中どの車両を探しても、タイヤに自動車メーカーの名前が入った車両なんてないですよね。
ここでは取り上げませんが、他にも日本製の部品が使われています。100年以上の歴史を持つメーカーが、自国の部品にこだわらず、外国製の部品を多数取り入れているのは正直驚きです。良い製品を作る為に世界中の粋を集めている、ということですね。ちなみに、学生たちが一番食いついてきたのは「サンスター」でした。授業の本質から外れているのですが……。