これがデジタルテクニシャン II 。
入学式と時同じころ、品川にある校舎では1年前に入学した2年生がハーレーの勉強をしていた。その内容は、1年間必死に勉強して来ているだけあって、とても簡単な内容とは言えない。ここでは、『1年間でこれだけ成長した!』といったところを紹介しよう。
ハーレーに乗られている方ならご存知かもしれないが、07モデルからハーレーダビッドソンはすべての車両で電子制御化されている。つまり、最後まで残っていたスポーツスターにもキャブレターがなくなったのだ。これはどのようなことを意味するかと言えば……。
皆さんの中にあるハーレーのイメージは『デザイン(ハーレーではスタイルと言っているが)があまり変わっていない』。イコール『昔のままのバイク』といったイメージはないだろうか。ところが’07モデル以降のハーレーは今の自動車となんら変わらず、すべての車両でEFI(電子制御燃料噴射装置)化されているし、’08モデル以降では電子スロットル(スロットルケーブルがなくなった)化された車両や、ABSまで装着された車両もある。そう、ハーレーはスタイルをそのまま残しながらも、中身は最新の技術が搭載されているのだ。
余談ではあるが、そもそもなぜ電子制御化が必要なのだろう。そこには各国それぞれに地球環境を守るための厳しい排出ガス規制があり、それに対応するとともに、高出力・低燃費にも対応する必要がある。そのために日本でもアメリカ本国とは違ったセッティングになっているのも致し方ない。
ハーレー専科の学生のみが着ているツナギ。
この最新鋭のハーレーを点検・修理するのには当然、最新の機器が必要になる。この機器が『デジタルテクニシャン II 』というコンピューターだ。それはハーレー正規販売店網にはすべて配備されている。この『デジタルテクニシャン II 』で何ができるかは、ここでは説明しきれないので割愛させていただくが、この『デジタルテクニシャン II 』や『オシロスコープ(電圧の変化を波形で見るもの)』、『サーキットテスター』といった測定機器をフル活用した授業がそこで行われていた。
入学した当初は、なぜエンジンが回るかも知らなかった彼らが、たった1年でここまで成長をしているのだ。しかし、これはまだまだ通過点であり彼らにはさらなる成長が求められているのである。
次回から、ハーレー専科に通っている2年間でどのような授業が行われているか紹介するとしよう。