5月も終わりを迎えつつありますが、相変わらず気持ちのいい陽気が続きますね。ども、編集部のジャージーです。さて皆さん(浜村淳ではありませんよ)、今回ご紹介するのは、ハーレーの年間イベントで最大規模を誇る「富士ブルースカイヘブン」です! 初ブルースカイヘブンとなったワタクシ、愛車のXL1200Rを購入した ハーレーダビッドソン練馬 主催のチャプターツーリングに同行させていただきました~。
「おそらく当日は御殿場インターでハーレー渋滞が起こると思うから、早めに集合することにしましょう」という練馬店の大竹店長による設定で、練馬チャプターの面々は東名高速道路・港北SAに午前7時30分に集合。空はどんよりとした灰色の雲におおわれていますが、年に一度のハーレーのビッグイベントとあって、皆さんテンションは上がっております。先導するのは、4年と3ヶ月で走行距離が15万キロを突破した2005年式FXDWG乗りのかずさん。さすがに走り倒しているだけあって、車両にも貫禄が漂っておりますなぁ。さて全員集合したところで出発…ですが、空模様が芳しくないので、万が一を想定してみんなレインスーツを身にまといます。せっかく「ブルースカイヘブン」と名が付いているんだから快晴に恵まれてほしいところなんですが、こればかりは仕方がないですね。
お父さんの後ろで満面の笑みの佐藤 梨奈ちゃん。東名道を走り抜け、目指すは富士の裾野!
東名高速道路をズバーっと進んでいくと、たくさんのハーレー乗りと遭遇します。みんな会場である富士スピードウェイを目指しているのですな。今にも泣き出しそうな空模様とは対照的に、誰もが意気揚々と愛車を駆っています。初めてのブルースカイヘブン参加となるワタクシとしては、「果たしてブルースカイヘブンはどれほど面白いイベントなのか?」が最大のポイントとなっておりました。ずばり言えば、プリンセス・テンコーのイリュージョンショーや、モンスタードラッガーのフル走行が魅力のもととなっているのか否か、とういうことです。富士スピードウェイへの道中でこれほどのハーレー乗りと出会うということは、このブルースカイヘブンそのものに惹きつける要素があるということです。そして会場で夜を過ごした僕は、このビッグイベントが持つ真の魅力に気づかされたのです。
会場のステージでは、カントリーミュージックのコンサートや大道芸などが催され、家族連れをはじめとする参加者が大いに楽しんでいます。さらに富士スピードウェイのメインコースからは、普段聞くことのない爆音が! 何かと目をやると、“Crazy TAK”こと重松健さんが駆るモンスタードラッガーが始動しようとしているではありませんか。間近で見たモンスタードラッガーのスピードは、常軌を逸しています。時速300キロを超える世界の凄まじさを見せ付けられたようでした。盛り上がったのは、チャプター参加による「フラッグパレード」と「チャプター対抗 ハーレーみこし担ぎ&ハーレー大玉渡し競争」。やはり“競う”というのは人々の気持ちに火をつけるようですね。
ただ、そうしたイベントを見渡していても、それがハーレー乗りを惹きつける要因とは思えませんでした。言い換えれば、富士ブルースカイヘブンはハーレーという共通項がなくても楽しめるイベントで、本当の意味でハーレー乗りの気持ちを刺激しているとは言い難いな…。そんなことを思いながら練馬チャプター陣が集うキャンプ地へ赴くと、そこではみんながハーレー談義に花を咲かせ、ビール片手にバーベキューを楽しんでいるではありませんか。年代も好みのモデルも違う人たちが、チャプターという共有の輪を持つことで、新しい交流の場を持てているのだと知ったのです。
車両点検ゲームで優勝した練馬チャプターの面々。みんなでキャンプするのが一番楽しいですね!
「富士ブルースカイヘブンは、あくまでキッカケ。俺たちはこの場を借りて、チャプター仲間はもちろん、各地のチャプターとの交流を楽しみたいんだよ。年に一度、こうして仲間と過ごせる夜がある…。それがここへ来る一番の理由だね」
参加者のひとりが、そう話してくれました。「大人の遊び方ができる、大人のイベントなんだよね」という大竹店長の言葉にも納得です。そういう点では、富士ブルースカイヘブンは「特大の仕掛け」として大成功しているのでしょう。
来年も開催される富士ブルースカイヘブン。今度こそその名のとおり、快晴に恵まれますよう。
日本各地から集まったチャプターが、自信作であるフラッグを掲げて走るフラッグパレード。あいにくの天気の中での開催となったが、チーム全員でバンディエラ(旗手)を囲みながら、誇らしげに走っていた。
数万人という日本中のハーレー乗りが一堂に会する富士ブルースカイヘブン。絶大な人気を誇るハーレーだからこそ成しえる規模なんだろうと思う傍ら、その裏方ではディーラーやショップがこのビッグイベントのために事前準備をしている。実際、僕が帯同した練馬店もトラックを借りてあらゆる材料を持ち込んでおり、そんな苦労を理解する参加者たちが率先して準備を手伝っていた。ハーレーという同じ好みを共有する者同士、そこに垣根はないんだなぁ、と実感させられた。
バイクに関する知識は皆無だが、バイクに乗るのは大好きという関西人。バージンハーレー編集部に配属されてからハーレーに乗り出した初心者で、それを武器に「腰の低い取材を心がける」などと抜かすフトドキ者。スポーツスターXL1200R所有。