私、浮気しちゃいました…。
なんのこっちゃい!? とお思いでしょうが、急にビッグツインに乗りたくなったのです。そしてラッキーなことに、大のハーレー愛好家である「カフェバーM」のママさんが、ビッグツイン乗りの女性だけで閑静な湖畔をまわるレディス・ツーリングを企画しているということを聞き、一緒に参加させていただいたのですっ☆ そんな今日の私の相棒は、FLSTSBソフテイル・クロスボーンズ! 見た瞬間、クラシカルながら唯一無二の個性がまばゆいルックスに、瞬時にノックアウトされてしまいました。ハーレーならではのオリジナリティが随所に光っていますよね~。私の手に負えるのだろうか? という不安が先立つところではありますが…だって乗りたかったんだもん(笑)。連載2回目にして、スポーツスターXL1200Cはお留守番です♪
集合場所の東名高速道路「海老名SA」に着くと、3者3様のビッグツインがお待ちかねでした。さらに話を伺うと、皆さんの相棒に対する愛情がビシバシと伝わってきて、目移りしてしまいます。「むむっ、これはマズイ…。欲しいものが増えてしまうじゃないか」と、そんなコトを思いながら、私たちは神奈川県足柄上郡にある丹沢湖を目指して走り出したのです。ゴールデンウィーク真っ只中ということもあって、高速道路も一般国道も渋滞が続いていました。けれど湖沿いの道に入ると、先ほどまでの喧騒がウソのように車の通りも少なく、聞こえるのはドドドッという4台のマフラー音のみ。自然と笑みがこぼれました。
そんな矢先、軽めのワインディングを重ねているとガリッという音にハッとする私。クロスボーンズはステップがフットボードになっているため、スポーツスターの感覚でバンクさせてしまうと擦ってしまうのです。休憩のときにその話をしてみると、YOOCOさんは「ソフテイル・カスタムもステップを擦るけど、私は峠にも行くわ」と言い、KEIKOさんも「私もよく擦るわよ~」とのこと。なるほど、「ビッグツインは擦ってナンボなのね」と、妙に納得したりして。 そして先導してくれている美恵子さんは、小柄ながらも堂々とした走りで、後ろをついていく私も安心してすべてを任せられました。いつも1人でツーリングをする私は、「こんな楽しみ方もあるんだなぁ~」と、ハーレーの新たな魅力にとっぷりと浸かることができたのでした。
今回初めてビッグツインに乗ってみた私ですが、感じたのは「走り出してしまえば、こんなに楽なことはない!」ということ。今までに乗った最高排気量はスポーツスターの1200ccだったのですが、一気に約400ccも増えるということは中型バイク1台分ですからね。その差は歴然です。そしてクロスボーンズの面白いところは、地面からの衝撃を受けたとき、お尻にはまったく振動を感じないこと。視界の端でスプリンガーフォークが揺れるのが見え、ハンドルにはそれなりに振動を感じるのですが、サドルシート下部にある太いスプリングが衝撃を吸収してくれるお陰で、長距離走行でもお尻は痛くならないんです。
お三方に長距離ツーリングなどの話を伺うと、やはり「楽だから、もう手放せない」という答えが返ってきました。特に美恵子さんとKEIKOさんは、スポーツスターからの乗り換えということで私と境遇も似ているし、その経験談はとても参考になります。タンク容量の違い、重量がもたらす安定感、そして鼓動。もちろんスポーツスターにもいい点はいっぱいあるのだけれど、「ビッグツインを一度味わってしまうと、もう元には戻れない」というのが、3人の共通意見のようです。これは彼女らだけではなく、ビッグツイン経験者の共通意見なのかもしれませんね。私もスポーツスターに乗った直後にW650を走らせたことがあるのですが、「いつも乗っているW650がオモチャみたい」と、ショックを受けたことがあります。もちろん排気量が大きい方がエラいとかスゴいだなんて思っているワケではないのですが、「大は小を兼ねる」とはよく言ったもので、よりパワフルで大きなものを求めてしまいますよね。だって乗る前には、「私の手に負えるだろうか?!」と不安を抱いていたのですが、いざ走り出したら、そんな不安はどこかへ飛んでいたのですから。身長154cmの私でも足つきは悪くないし、アクセルワークもバツグン。インジェクションとはいえハーレー独特の鼓動を感じられるし、強風が吹いたってビクともしない。これ以上、何を求めたらいいのでしょう? あぁ~、今日1日乗ってみたら、ビッグツインが欲しくなってきちゃいましたよ~。
東京都出身。日本各地に加え、約3ヶ月かけてハーレーでアメリカを走った経験を持つアクティブレディ。現在はフリーライターとして各バイク雑誌で活躍する傍ら、シンガーとしても活動するなど多才な一面も。ハーレーダビッドソンXL1200C、カワサキW650所有。彼女のブログはこちら。