「春だ! 春だ! 春だぁぁ~☆☆」。
今月でジョンに乗り出して丸1年! 春本番とまではいかないものの、このぽかぽか陽気を目の前にじっとなんてしていられません~っ。冬眠していたライダーさんたち(笑)も起き始め、みなさん地図を片手にそわそわしてるのではないでしょうか。春の陽気はライダーの心を浮き足だたせる力があるようですね(笑)。とは言え、朝夕はほんのり寒いですから、いきなり遠くまで走るのはちょっと不安…。ここはひとつ近所を散策してみようと、京都の嵐山へ出掛けてみることにしました。嵐山は小さい頃、両親によく遊びに連れて行ってもらった場所です。でも、ここ何年かは足が遠のいていましたから、改めて散策してみるのも良いかな~、と思ったワケです☆ 近くてすぐ行けるトコロほど、タイミングを逃してなかなか遊びに行けないですからね。こういう日に行っておかなければっっ。嵐山までは、交通量の多い主要道路を通って行かなければなりません。でもまぁ、VPクラッチ着けてクラッチが軽くなった私にとっては渋滞なんてなんのそのです♪ そうと決まればレッツゴー☆
嵐山までの道のりは平日ということもあってそれほど渋滞はなく、30分程で到着しました。ほんと滋賀から京都って近いな☆ しかし、さすがは観光地嵐山! 近くまで来ると桂川沿いの道は人でいっぱいです。みんなが歩いている道をバイクで走るというのは、知った道なのにすごく新鮮な感覚♪ 観光客の横をびゅんっと通り抜けるのは、これまたなんとも言えない優越感なのですよ~。わ~いわ~い。しかしながら、観光地の中はさすがにバイクでは乗り込めないので、ひとまずジョンを駐車して歩いて街を一回り。残念ながら桜はまだツボミで、先が赤く色づいているだけでした(悲)。このコラムが掲載になる頃にはきっと満開の桜を見ることができるんでしょうね。う~ん…残念。それでも川沿いには等間隔に並んだ木々が並び、桂川で遊ぶ元気な水鳥たちもいて良い雰囲気でした。
お店のたくさん並ぶ通りに入っていくと、人力車のお兄さんが客寄せをしています。人力車のお兄さんってなんでカッコよく見えるんだろう…単純な私(笑)。思わず乗ってしまいそうになりながら歩きます。小さい頃に食べて感動した粒々アイス(?)のお店、ゼリーの美味しい和菓子屋さん…昔と変わらない風景にちょっと嬉しくなっちゃいますね。桂川に掛かる『渡月橋』は、十三参りの時、振り向かずに渡りきらないとだめだよと言われ(そんな風習があるんですよ)、ドキドキしながら渡ったなぁ。懐かしい! そんな思い出に浸りながら歩いていると、編集部の方が『こっちに来てごらん』と私を呼びました。言われるまま小道に入っていくと、そこには初めて見る景色がっ! 両サイドを竹やぶに囲まれた小さな小道。竹が太陽の光を遮っているので道は薄暗く、違う世界に入り込んだような感覚を覚えます。『ここはお勧めなんだよ』と編集部の方。この人、繊細さのカケラも感じさせない外見からは想像もつきませんが、意外といい所を知ってるんですね(笑)。カップルで来たらきっと最高だと思いますよ。道を抜けるとお寺に繋がっているそうなので、みなさんも是非1度お寺参りがてら歩いてみてください。
嵐山を堪能した後は、ツーリングらしく『嵐山・高雄パークウェイ』という道を走ります。有料のドライブウェイですが、素晴らしい景色が楽しめるオススメのツーリングコースなんですよ。ただ…バイクは平日しか入ることができません。週末ライダーの方は気をつけてくださいねっ♪ 山道と言ってもそれほど怖いカーブもなく、走っている車も少ないので初心者の方が山道の走行練習をするのにはぴったりなのでは(私も含めて・笑)? でも、たまに車の走り屋の方がすごいスピードで迫ってくるので、そんなときはオトナな対応で道を譲りましょう☆ 私が走ったときはポルシェ(たぶん)がパークウェイを何度も上ったり、下りたりを繰り返していました(ご苦労様ですっ)。
木々に囲まれた緩いカーブの道を登っていくと、要所要所に展望台があります。どれも京都の街が見下ろせる絶景なのですが、その中で特にお勧めなのが、保津峡が見える展望台! 私がよく使う、嵯峨野山陰線の線路や京都縦貫道が下の方に小さく見えます。いつもは自分が居る場所がこんなにも下の方にちっぽけに見えています。なんとも不思議ですが、自分がでっかくなったような感覚になりますね。普段から何気なく通っていた道路も、見方を変えれば、こんなにも壮大な景色の中の一部だった、ということに気づかされます。この非日常的な感覚を味わえるから、この場所が大好きなんですよね☆ 展望台からさらに走ると、怪しげな遊園地(笑)が現われます。言っておきますが、ココには決して期待してはいけません。「観空台遊園地」という名前はついているものの、とても遊園地という規模じゃありません☆ 山頂付近に寂しげに佇む遊園地は遊びたいとは思いませんが、眺めている分には楽しい場所です。昔から変わらずかけられている(と思います)音楽がさらに郷愁をかき立ててくれるはず。決してこれを目的にくることはお勧めできませんが、話のネタにはなるかもしれません。あ、でも自販機とトイレはバッチリ完備されていますので、休憩には最高です…一応フォローまでに(笑)。
パークウェイを出た後は、『きぬかけの道』という道を通り『龍安寺』へ向かいます。この道は観光地として有名で、自然と寺社建築が並ぶ雰囲気の良い道なんですよ。ここを歩いて散策する観光客は多いようですが、バイクで走るのもなかなかオツなものです。えいさえいさと坂道を上っている観光客の横を、バイクにまたがり悠々と追い越して行くのです♪ ゆったりまったり道を進みました(私って意地悪…?)。この道の途中にあるのが『龍安寺』。石庭で有名なお寺なのですが、みなさんはご存知でしょうか(歴史の教科書にも載ってますよ♪)。私は以前テレビで見てから、ずっと行きたくて行きたくて。でも、龍安寺という名前を忘れてしまっていて京都のどこにあるのか、まったくわからなかったんです(笑)。編集部の方もたまたまココを訪れたかったみたいで、モノ忘れが激しい私もついに龍安寺に来ることができました。ここは駐車場もばっちり完備されていますので、『嵐山・高雄パークウェイ』からの寄り道にはオススメですよ~。
龍安寺の中は思っていたよりずっと広くて、自然がいっぱい。石庭のイメージだけしかなかったのですが、お寺の周りには大きな池や木々に囲まれた小道が広がっていました。お散歩気分でゆっくり回っていると、心が落ち着いてやわらかい気持ちになれます。ここもまだ桜はツボミでしたが、梅が見事に咲いていました。緑の中に浮かぶ1本の梅の木は戦争記念碑の横に生えているのですが…そこだけ空気が違います。4月になれば桜も咲いてまた雰囲気が違うのでしょうね。それから肝心の石庭ですが、最初に見て思ったのはTVで見たイメージより小さい(個人的な感想ですいません)ということ。実はもっと巨大な庭を想像していました(笑)。それでも不思議な配置の石庭は存在感たっぷりで、心が落ち着く凛とした空間でした。なんだか町の長老達が並んでこっちを見ているみたい。『私もしゃんとしなきゃっ。』と思わず自分に喝を入れてしまいました。不思議な事に、ここに居ると知らぬ間に時間が過ぎてゆきます。観光で来ていた外国の方たちもじっと座って瞑想している様子。なるほど~、この感覚は世界共通みたいです。なんだか平和な空間だなぁ~。
さて今回は、走ることより着いてからの観光をメインにのんびりと走ってみました。たまにはこういうのも良いでしょう? 目的地を目指し長距離を走るのももちろん楽しいですが、よく知った場所にあえてバイクで出掛けるというのもまた違った楽しさがあります。いつもとは違う目線から見る街には、新たな発見がたくさん隠れていて。きっとお気に入りの場所をもっと好きになるハズです。どんなに近所でも、どんなに知り尽くした場所でも、バイクは新しい何かを見つけてくれますよ~、だからバイクって楽しいんですよねっ。もうすぐ4月で春も本番! まずは冬眠明けの体慣らしに、ご近所ツーリングへ出掛けてみてはいかがですか?
22歳。2級建築士の資格を持ち、将来は建築家を目指すがんばり屋。デグナーのカタログモデルを務めたことがきっかけでハーレーに出会う。原付からいきなりスポーツスター乗りに。ハーレーはまだまだ勉強中の身だけれど、成長が楽しみな女のコ。愛車はXL1200S(愛称ジョン)。