VIRGIN HARLEY |  V-ROD編ハーレーのファミリーとは?

V-ROD編

  • 掲載日/ 2005年08月16日【ハーレーのファミリーとは?】
  • ナビゲーター/寺田モータース 寺田 史郎

V-RODファミリーの画像

ハーレーダビッドソンの新たなる挑戦
水冷エンジン搭載のモンスター

「え! これがハーレー?」。2002年の登場時、多くのハーレーファンを唸らせた水冷のモンスター。それまで頑なに空冷エンジンを造り続けてきたハーレーダビッドソンの挑戦。従来のハーレーとは全く違う、怒涛のトルク、さわやかな吹けあがり…このモンスターはきっとあなたを体験したことのない世界に連れてってくれます。というわけで今回は、このV-RODについてご説明しましょう。

V-RODの名前
その由来を教えて!

V-RODファミリーの車種は「VRSC」という名前がありますね。これは1994年に、ハーレーダビッドソンが発表したレーシングマシン「VR1000」から来ているのです。このVR1000は、DOHC水冷、60度のツインエンジンでしたが、V-RODはこれをベースに作られたストリート・カスタムという位置づけなのです。カンの言い方はもうお気づきでしょう。VRSCのVRは「VR1000」から、SCは「ストリート・カスタム(street custom)」から来ているんですね。

VRSCはわかった!
じゃあ「V-ROD」の名前の由来は?

これは比較的カンタンです。V-RODのVは、ハーレー伝統の「V-TWINエンジン」から来ています。RODは、「HOT-ROD(=ピストンが熱く、赤くなるほど性能が絞り出されたエンジン)」から来ているのです。

そもそも水冷エンジンは
空冷とくらべて何が違うの?

水冷ハーレーが登場したときには、大きな波紋を呼びました。しかし、そもそも水冷と空冷では具体的に何がちがうのでしょうか。まず、水冷エンジンはエンジンが動くことで発生する熱を、エンジンの周囲に「クーラント」という冷却液を通すことでエンジンを冷やします。現在実用化されている冷却方法の中で、一番効率がいいとされていて、エンジンの温度をより細かくコントロールできるメリットから、多くのエンジン(自動車も含めて)採用されています。ただ、デメリットもありエンジンの周りに冷却液(クーラント)を流すための仕組みが必要なために、重量、サイズが重くなってしまいます。一方、空冷エンジンは、熱を空気によって冷却します。読んで字の如しですね。冷却効率は、水冷エンジンに比べると劣りますが、冷却液などが必要でない分、より軽く、コンパクトに造ることができます。デメリットとしては、水冷に比べてエンジンがむき出し状態のためメカノイズが大きく、また夏はオーバーヒートが起こりやすいのです。

V-RODって排気量が
ビッグツインに比べて小さいってほんと?

本当です。V-RODは巨大なパワーを誇るモンスターバイクですが、排気量は意外に思われる方もいるかもしれませんが1246cc。ビッグツインが1450ccなのに比べるとずいぶん小さい印象を受ける方もいらっしゃるのでは? しかし、ビッグツインとは違ってV-RODは高回転型のエンジンのためストローク(エンジンの縦の長さと思っていただいても結構です)が短いんですね。ストロークが長くなるとV-RODのウリである高回転域での気持ちよさが半減してしまいますから。ビッグツインのような低回転でのトルクを重視したエンジンとはそもそもコンセプトが違う、よりスポーティなエンジンといえるんです。

体が小さいと乗りづらい
そんな話を聞いたのですが…

確かにフォワードコントロールは平均的な日本人では乗りづらい一面もあるかもしれません。しかし、諦めることは何一つありません。純正パーツからも、アフターパーツメーカーからも乗りやすいキットが多く出ていますから、ご安心を。また、2005年に「VRSCR ストリートロッド」、2006年モデルの「VRSCD ナイトロッド」というモデルはミッドコントロールを採用しています。ちなみに「ストリートロッド」がやや車高が高い(加重時シート高762mm)のに対して、2006年モデルから登場の「ナイトロッド」は「VRSCA」と同様の車高(加重時シート高660mm)です。「ナイトロッド」はより日本人に優しいスタイルとなっていますから、ディーラーに行ったときなどには是非一度跨ってみてくださいね。きっとポジショニングのよさにおどろくことでしょう。

V-RODって
種類がいろいろあるみたいだけど…

現在V-RODは3種類のラインナップがあります。当初「VRSCA」のみで始まったV-RODですが、2004年モデルには「VRSCB」、2005年春には「VRSCR ストリートロッド」、2006年モデルには「VRSCB ナイトロッド」が発表されています。クルーザーとして楽しんでいる方が多い「VRSCA」。V-RODの流れるような、そしてクロームの輝きといった造形美を存分に楽しめるモデルで、磨く楽しみもたっぷりある贅沢なモデル。性能としては、ブレンボの専用ブレーキキャリパー(2006年モデルから採用されました)、スタイリッシュなアルミディッシュホイール、斬新な近未来的フォルムで人気のハンドルライザー、パウダーコートされたフレームなど豪華絢爛。まさにV-RODのフラッグシップと言えます。一方「VRSCB」は、フレームやサスペンション、エンジンの一部がブラックアウトされハンドルライザーの脱着が簡単でカスタム志向が強いモデルです。

2006年から新しい仲間に加わった「VRSCD ナイトロッド」は、スタイリッシュなフロントカウルにミッドコントロール、ブレンボの専用ブレーキキャリパーなど、よりドラッグレーサーに近づいた印象。特にブラックアウトされた外装は「ダイナ・ファミリー」の「FXDBI ストリートボブ」、スポーツスターシリーズの「XR883R スポーツスター883R」、ソフテイルの「FXSTB ナイトトレイン」といったハーレーの人気っぷりからも、今後人気がぐんぐんアップしていきそうな予感ですね。「VRSCR」は、ワインディングをより楽しめるスポーツモデル。剛性の高い倒立フォークやブレンボの専用ブレーキキャリパー、ミッドコントロールのポジションが採用されています。ただコーナリングをしっかり考えているためか車高が他のモデルに比べてやや高いため、あまり小柄な方は厳しいかも。

プロフィール
寺田 史郎
みなさま、はじめまして。寺田モータースの寺田と申します。このたび、ハーレー入門のナビゲーターを任されました。みなさんの車両選びの一助となるようがんばりますので、よろしくお願いいたします。

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