あなたは、バイクに乗るきっかけとなった人物や、出来事を覚えているだろうか。
YUMIさんは、バイクに憧れるきっかけとなった原体験を今でも鮮明に記憶していると言う。「もう何年も前の話ですけど、地元の峠を車で走っているとき、ハーレーとすれ違ったんです。年配の方が運転してて、後ろに奥さんを乗せてて……。一瞬だったけど、『かっこいい!』って思ったんです」。それまでバイクに興味を抱くことのなかった彼女に、その存在を強烈に意識させた瞬間だった。
それから時が経ち、二輪免許を取ったのは3年ほど前のこと。最初に乗ったのはドラッグスター250だった。はじめは250ccでバイクライフを楽しんでいたYUMIさんだったが、バイク仲間が増えるにつれ、まわりのハーレー乗りたちの影響もあってハーレーの排気音や振動に惹かれていった。そして大型免許を取得、バイクを探すことになるのだが、その際に「どんなバイクに乗りたい?」と聞かれ、「スポーツスターで、でもチョッパーっぽいバイク」と答えたところ、勧められたのがスポーツスターの「72」であった。
それはまさにYUMIさんの理想に近い一台。一目惚れだった。彼女の身長を考えればポジションだけが不安ではあったが、購入したディーラーでミッドコントロール仕様の72に出会う。しかもそれは、限定色のキャンディオレンジ。迷うことなく、このバイクを相棒に選択した。
バイクの話をするとき、彼女はいつも満面の笑顔を浮かべる。心底バイクが好きで、バイクライフを楽しんでいることが伝わってくる。そしてそんな笑顔に惹かれるのか、彼女には年齢性別問わずたくさんのバイク仲間がいる。そんな仲間に誘われ、毎週どこかを走っているそうだ。
「朝から400キロのツーリングに行って帰ってきたら、別の人からナイトランのお誘いがあって、それにも参加しちゃいました。結局その日は600キロ走ったんです」と、彼女は無邪気に笑う。最近では福岡から淡路島までツーリングに出るなど、まわりからは「距離バカ」とまで呼ばれるようになった。それでもまだ、「いろんなところに行きたい!」と語るYUMIさん。最愛の相棒、「72」との旅はまだ始まったばかりのようである。