メタリック・パープルのハーレーが豪快に走り抜ける……
信号で追いついた時、乗り手が華奢な女性である事に驚いた。本人に言うと怒られるかもしれないが、その走りっぷりはそこらの男子よりも断然“男前”だったのである。
メグミさんのバイク歴がスタートしたのは高校生の時だ。「高校が家から遠かったんですよ。ちょうど2歳年上の姉にカブをもらったので、3年間カブで通学してました」。彼女の母校には「跨ぐタイプでギア付きのバイクは禁止(=スクーターのみ可)」という不思議な校則があったそうだ。だからカブは校則違反になったため、毎朝学校近くの空地に隠すのが日課だったと言う。
彼女はその後、専門学校に進学した。そして、「もっと速くてカッコいいバイクに乗りたい!」と、ドラッグスターを手に入れて走り回るうちに自然とバイク友達も増えていった。今でも仲のいい、女子のバイク乗りチームと出会ったのもちょうどこの頃だ。そんなメグミさんの脳裏には「いつかはハーレーに……」という想いが潜んでいた。だけど、そのためには免許が必要だと試験場で一発試験を試しに受けてみると、なんと1回目で合格! 大型免許を瞬時にゲットしてしまったのである。で、そんなタイミングで愛車のドラッグスターが故障、車検が迫っていたこともあって、そのままハーレーへの乗り換えを決意したそうだ。
「スプリンガーフォークとシートスプリングがカッコ良いなぁ、って感じてクロスボーンズを探したらこのバイクが出てきた。赤とか紫系の色が大好きなので即決でした」。
こうしてメグミさんは晴れて、念願のハーレー乗りとなったわけである。手に入れてから更に行動範囲が広がったという彼女は、今住む九州や四国のバイクミーティングに参加したり、富士山まで軽く走ってしまうというから驚きだ。重ね重ね、何とも男前なメグミさんなのである。